<新興国eye>前週のインド株、米金利据え置き決定や長期国債利回り低下を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/11/6 9:02

 前週(10月30日-11月3日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の3日終値は前日比0.44%高の6万4363.78、週間ベースでは10月27日終値比0.91%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け30日は指数が上昇。翌31日は3営業日ぶりに反落した。11月相場入りした1日も続落。2日は反発した。

 週前半は、海外市場が軟調となる中、国内の強気派の投資家が指数の構成ウェートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズや通信大手バーティ・エアテル、ICICI銀行、HDFC銀行、エンジニアリング大手のラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)などの物色買いを強めたため、買いが優勢となった。特に、リライアンスは7-9月期決算が増益となったことが好感され、上げを主導した。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を間近に控える中、IT株が下落、下げをけん引した。IT企業は売り上げの相当部分を米国市場に依存していることが背景。また、外国人投資家の売り越しも嫌気された。

 週後半は、中国の10月CAIXIN(財新)製造業PMI(購買担当者景気指数)が低調となったことを受け、金属セクターが売られたことや、FRBの金融政策決定会合を控え、積極的な買いが抑えられたため、売りが優勢となった。特に、外国人投資家が売り攻勢を強めたため、地合いが悪化した。金属やITが引き続き売られ、塗料最大手アジア・ペインツと鉄鋼大手タタ・スチールも下落。その後は、海外株高や、FRBが予想通り政策金利を2会合連続で据え置いたことや、ジェローム・パウエルFRB議長がインフレへの警戒感を示す一方で、利上げサイクルの終了が近いことを示唆したことが好感され、買いが優勢となった。

 週末3日は続伸。タタ・モーターズなど自動車株が好調な四半期決算を受け、IT株も米金利据え置きを好感して上昇、相場を押し上げた。また、世界各国の主要中銀の利上げサイクルの終了が近づいたとの思惑で、国内の長期国債利回りが低下したことも支援材料となった。

 今週(6-10日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は10日の9月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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