【為替本日の注目点】ユーロ円161円手前まで上昇

為替

サーチナ

2023/11/7 9:52

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は再び150円台まで上昇。米長期金利が上昇したことで150円08銭までドルが反発。ユーロドルも続伸し、1.0746まで上昇。ユーロは対円で160円98銭前後まで買われ、先週の記録した高値を更新。およそ15年ぶりのユーロ高水準を付ける。株式市場は小幅ながら3指数が揃って6日続伸。ハイテク株に見直し買いが入り、ナスダックは44ポイント上昇。債券は反落。長期金利は4.64%台に上昇。金は反落し、原油は小幅に上昇。

マーケット情報

ドル/円 149.69 ~ 150.08

ユーロ/ドル 1.0717 ~ 1.0749

ユーロ/円 160.67 ~ 160.98

NYダウ +34.54 → 34,095.96ドル

GOLD -10.60 → 1,988.60ドル

WTI +0.31 → 80.82ドル

米10年国債 +0.071 → 4.643%

本日の注目イベント

豪 RBA、キャッシュターゲット

中 中国 10月貿易収支

中 中国 10月外貨準備高

独 独9月貿易収支

独 独9月鉱工業生産

欧 ユーロ圏9月卸売物価指数

米 9月貿易収支

米 9月消費者信用残高

米 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁講演

米 バー・FRB副議長講演

米 ウォラー・FRB理事講演

米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会で司会

米 ローガン・ダラス連銀総裁講演

 日銀の植田総裁は昨日名古屋市内で講演を行い、「2%の物価安定の目標に向けた実現の確度が少しずつ高まってきている」と発言し、先週行われた決定会合後の会見で述べた言葉から幾分政策修正に向け前向きな言い回しをしていました。先週の決定会合後の会見では2%の物価上昇について、「十分な確度を持って見通せる状況には達していない」と述べ、現行の金融緩和策を継続する意向を見せていましたが、今回は「確度が少しずつ高まってきている」と述べています。

 ただ、それでも「現時点では物価安定の目標の持続的・安定的な実現を十分な確度をもって見通せる状況には、なお至っていない」と、前回の文言を繰り返しており、実質的には何も変わっていないようですが、今朝の日経新聞は、「日銀、物価2%達成に手応え」といった見出しを掲げていました。総裁が重要なポイントに挙げていたのが、「来春の賃上げ」です。その意味では昨日、流通や外食、繊維などの労働組合が加盟する「UAゼンセン」は、2024年の春季労使交渉で正社員とパートなどを含めた全体の賃上げ目標を「6%」とする方針を固めました。この「6%」が上部団体である「連合」の「5%以上」を上回っていたことが注目されています。岸田首相の言う、物価と賃金が好循環する「新しい資本主義」に向っていればいいのですが。

 米財務省はイエレン長官と中国の何立峰副首相が9、10日にサンフランシスコで会談すると発表しました。APEC首脳会議がサンフランシスコで行われ、バイデン大統領と習近平国家主席が会談を行う予定になっていますが、それに先だって会談を行うようです。すでに先週には中国外交トップの王毅外相がワシントンを訪問していることもあり、中国側がようやく米国のアプローチを受け入れてきた模様です。ただ米中トップ会談では、米国の輸出規制や南シナ海における中国の軍事的行動など、様々な問題があり、米中関係が改善する可能性は低そうです。

 先週末には雇用統計の結果を受け149円台前半まで売られたドル円ですが、再び150円台まで買われ底堅い動きを見せています。8時間足よりも短いチャートでは売りシグナルが点灯し、8時間足の雲を下抜け出来るのかどうか注目していましたが、米金利の上昇に引っ張られた格好です。一方で上値の方も徐々に重くはなっている印象で、しばらくは神経質な動きを見せながらも、もみ合いが続くかもしれません。

 本日のドル円は149円20銭~150円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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