<新興国eye>前週の上海株、欧米の利上げ終了観測や不動産セクターの急騰で3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/13 9:01

 前週(6-10日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで3週続伸。10日は3038.97(3日終値比0.27%高)だった。

 週明け6日は指数が上昇。翌7日は反落、8日も続落した。9日は小反発。

 週前半は、米10月雇用統計が弱い内容となったことを受け、欧米の利上げサイクル終了観測が強まり、買いが優勢となった。また、李強首相が前週末、中国市場へのアクセスと輸入を一層拡大すると発言したことも支援材料。その後は、10月貿易統計で輸入が予想以上に増加した一方で、輸出は減少ペースが加速したことを受け、景気後退懸念が強まり、売りが優勢となった。

 週後半は、米10年国債利回りの急伸を受け、米追加利上げ観測が強まり、売りが優勢となった。ただ、中国当局が、経営難に陥っている不動産開発大手・碧桂園(カントリー・ガーデン)の救済に中国平安保険が乗り出すよう要請したとの観測報道で不動産セクターが急騰し、下げは限定的となった。その後は、10月CPI(消費者物価指数)が低下に転じ、10月PPI(生産者物価指数)もデフレ圧力が続いたことを受け、景気回復懸念が強まったため、上値が重くなった。

 週末10日は反落。自動車株と酒類株の下落が重石となった。自動車大手の重慶長安汽車が5%超急落。当局による追加の景気刺激策への期待感が高まった。

 今週(13-17日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は15日の10月鉱工業生産と10月小売売上高、10月固定資産投資、10月失業率、16日の住宅価格指数など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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