【為替本日の注目点】ドル円1日で反発

為替

サーチナ

2023/11/16 10:05

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 前日のCPIの結果を受け150円17銭まで売られたドル円は1日で下落分の7割以上を回復。米金利の上昇もあり、151円43銭までドルが反発。ユーロドルは1.08台で底堅く推移。対円ではさらに上昇し、164円20銭前後を記録。株式市場は3指数が小幅ながら揃って続伸。10月のPPIが予想外に低下していたことを材料にダウは163ドル高。債券は反落。長期金利は4.53%台まで上昇。金は反落。原油も売られる。

マーケット情報

10月小売売上高 → -0.1%

10月生産者物価指数 → 1.3%

11月NY連銀製造業景況指数 → 9.1

ドル/円 150.05 ~ 151.43

ユーロ/ドル 1.0832 ~ 1.0886

ユーロ/円 163.51 ~ 164.20

NYダウ +163.51 → 34,991.21ドル

GOLD -2.20 → 1,964.30ドル

WTI -1.60 → 76.66ドル

米10年国債 +0.084 → 4.531%

本日の注目イベント

日 10月貿易統計

豪 豪10月雇用統計

欧 ラガルド・ECB総裁、欧州システミックリスク理事会(ESRB)会議で挨拶

米 新規失業保険申請件数

米 10月輸入物価指数

米 10月輸出物価指数

米 11月フィラデルフィア連銀景況指数

米 10月鉱工業生産

米 10月設備稼働率

米 11月NAHB住宅市場指数

米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演

米 バー・FRB副議長、ESRB会議でオンライン討論会に参加

米 ウォラー・FRB理事、討論会に参加

米 クック・FRB理事講演

加 カナダ3月住宅着工件数

 1年ぶりとなる対面での米中首脳会談がサンフランシスコで行われました。バイデン大統領は冒頭で、「われわれの話合いはいつも率直で偽りのないものだった」とした上で、「当然ながら、お互いの意見は常に一致していたわけではなかったが、それでも話し合いは全く率直で有益なものだった」と発言し、「われわれは競争が争いに発展しないようにしなければならない。責任を持って管理する必要がある」と語っていました。これに対して習近平主席は、「世界で最も重要な二国関係だ。両国のような大国にとって、お互いに背を向けるという選択肢はない」と指摘し、「一方が他方を変えることは非現実的であり、対立や衝突は双方にとって耐え難い結果をもたらす」と話しています。今回の会談は習氏が車から降りて来るのをバイデン氏が迎え、双方が固い握手をするところから始まり、好印象がありました。会談では気候変動問題やAI問題に加え、台湾問題、ウクライナおよびイスラエルを巡る紛争にも議題が及ぶものと予想されていますが、米国とすれば、今後の対話再開の道筋をつけ、最低でも「関係修復」のメドを付けておきたいとの意向のようです。会談終了後にはバイデン氏の会見が予定されています。

 前日、米10月のCPIが鈍化していたことでドル円は150円17銭まで売られましたが、わずか1日で下落分の7割以上戻し、昨日のNYでは151円台半ばまで反発しています。10月の生産者物価指数(PPI)が市場予想に反して前月比で低下していました。また10月の小売売上高も前月比「0.1%減少」してはいましたが、市場予想ほど落ち込んではいなかったことで、「米景気はソフトランディングが視野に入って来た」との見方が強まり、株価を押し上げています。昨日のコメントでも書きましたが、米経済指標の結果に一喜一憂しマーケットは大きく動きます。米金利の動向に大きく左右されてきたドル円は「やや米金利離れ」を見せ、基本的には上に行きたがっているように見えます。

 ドル円は今回も「CPIショック」で1円70銭ほど落とされましたが、このような動きは直近だけでも4回あります。10月3日はPMIの鈍化、10月31日は日経電子版がYCCの修正をいち早く報じ、また先週末には雇用統計の結果を受けドル円は急落しました。今回の4回目はCPIの下振れと、いずれもドル円は売られましたがその下落幅は2円程度です。そしていずれも直ぐに反発する動きになっています。このように考えると、やはりドル円は政府日銀の介入を引きずり出したい動きを見せているように思えます。ただ一方では、「ドル高はピークを迎えている」といった声があることをブルームバーグは伝えており、「ドル高見通し一色ではない」と報じています。151円台半ばから後半を4回も記録しながらも、152円には届かず押し戻されるドル円ですが、再び上値を追う動きを続けており、見方の分かれるところです。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はフィナンシャルタイムズ紙に対して、「最近の経済データがさらなるインフレ鈍化を示唆していることは、極めて心強い」としながらも、「金融当局は米経済が本当にディスインフレの軌道にあるのか、結論を急ぐことなく、思慮深く時間をかけて判断すべきだ」と述べています。デーリー総裁もこれまでのFOMCメンバー同様、慎重な姿勢を維持しています。

 本日のドル円は150円50銭~152円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ