<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株安や原油安、通貨ルーブル安を受け続落=BRICs市況

新興国

2023/12/11 8:55

 前週(4ー8日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の8日終値は前日比0.29%高の1054.28、前週比では1日終値比3.70%安と、続落した。

 週明け4日は指数が下落、6日まで11営業日続落した。7日は反発。

 週前半は、海外株安を受け、ロシア市場でも売りが優勢となった。また、通貨ルーブルの下落と、ブレント原油先物が一時、77.5ドルに下落したことも嫌気され、売りが優勢となった。その後は、ルーブル安の進行に加え、原油価格が一時、77.2ドルの安値を記録、売りが一段と強まった。原油安はOPEC(石油輸出国機構)プラスが決めた24年1-3月期の減産合意が十分に順守されないとの懸念が背景。

 週後半は、原油価格が75ドルと、大幅に下落したことに加え、海外株安とルーブル安となり、売りが広がった。個別銘柄では石油・天然ガス大手スルグトネフチガスとロシア連邦貯蓄銀行(ズベルバンク)が急落、下げをけん引。その後は、ルーブルが上昇に転じ、買いが優勢となった。また、ダイヤモンド生産最大手アルロサ(ALROSA)と金融大手VTB(対外貿易銀行)、天然ガス大手ガスプロムがそれぞれの企業ニュースで急騰、上げを主導した。ただ、原油価格が74ドルを割り込んだため、上値は重くなった。

 週末8日は続伸。海外株高や、原油価格が76ドルに回復、7営業日ぶりに上昇したことが好感され、買いが強まった。

 今週(11-15日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える13日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や14日の米EIA週間石油在庫統計、FRB(米連邦準備制度理事会)とロシア中銀の金融政策決定会合(それぞれ13日と15日)も注目される。主な経済発表の予定は12日の10月貿易収支や13日の7-9月期GDP(改定値)など。指数は1100-1150のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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