<新興国eye>前週のブラジル株、インフレ見通し上げや原油安、米景気懸念を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/12/11 8:57

 前週(4ー8日)のブラジル株式市場は8日のボベスパ指数が前日比0.86%高の12万7093.57、週間ベースでは1日終値比0.85%安と、7週ぶりに反落した。

 週明け4日は指数が下落、翌5日は反発した。6日は再び反落。7日は反発した。

 週前半は、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年と24年のインフレ見通しがいずれも引き上げられたことが嫌気され、売りが優勢となった。その後は、7-9月期GDP伸び率が前期比0.1%増に減速したが、市場予想を上回ったことを受け、買いが強まった。ただ、中南米最大のブラジルの石油化学大手ブラスケムが投資対象として優れたESG(環境・社会・ガバナンス)企業で構成するISE指数から除外されたため、上値は重くなった。

 週後半は、米10月雇用動態調査(JOLTS)で国内求人件数が870万件と、市場予想(930万件)を大幅に下回り、米経済の減速懸念が強まったことが嫌気され、売りが優勢となった。また、原油価格の下落を受け、石油大手のペトロブラスやペトロレオ・ブラジレイロ、ペトロレコンカボが急落、下げを主導。その後は、週末発表予定の米11月雇用統計待ちとなり、積極的な買いが控えられる中で指数はプラス圏で引けた。

 週末8日は続伸。米11月雇用統計で雇用者数が予想を上回り、失業率も低下したことを受け、過去の累積的な利上げにもかかわらず、米経済の強じん性が示されたことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(11-15日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、FRB(米連邦準備制度理事会)とブラジル中銀の金融政策決定会合(いずれも13日)なども注目される。

 主な経済指標の発表予定は12日の11月IPCA(拡大消費者物価指数)や13日の10月サービス業成長率、14日の10月小売売上高、15日の12月IGP-10インフレ指数(11月11日-12月10日まで物価変動指数)とGDP伸び率の先行指標となっている10月IBC―Br(経済活動指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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