<新興国eye>前週のインド株、中銀の金利据え置きや米利下げ観測、地方選に6週続伸=BRICs市況

新興国

2023/12/11 8:56

 前週(4-8日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の8日終値は前日比0.44%高の6万9825.6、週間ベースでは1日終値比3.47%高と、6週続伸した。

 週明け4日は指数が上昇、6日まで7営業日続伸した。7日は小反落。

 週前半は、世界的な利下げ転換の観測や、インド国内3州で行われた地方議会選挙で、ナレンドラ・モディ首相が率いる与党・インド人民党(BJP)が圧勝したことが好感され、買いが優勢となった。HDFC銀行などの金融株や、指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズが上昇、上げをけん引。

 その後は、地方議会選での与党勝利が引き続き材料視され、買いが一段と強まった。24年総選挙で与党政権が安定するとの期待感が強まり、銀行セクターに加え、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループの傘下企業やリライアンスも買われ、上げをけん引。アダニの急騰は米政府が米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチによるアダニへの不正会計疑惑を否定したとの報道や、13億6000万ドルのシ団ローンの獲得が背景。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)が24年3月に利下げに転換するとの観測が強まり、買いが優勢となった。アダニ傘下企業が引き続き買われたほか、IT株やエネルギー株、PSU(国営銀行)も上昇、上げを主導。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。フィンテック(デジタル決済)大手ワン97コミュニケーションズ(ペイティーエム)が約20%急落、下げを主導した。同社が小額融資、特に5万ルピー未満の融資を縮小すると発表したことが背景。

 週末8日は反発。インド準備銀行(中銀)が政策金利を5会合連続で据え置き、また、23年度のGDP伸び率見通しを従来予想の6.5%増から7%増に上方修正したことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(11-15日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、FRBの金融政策決定会合(13日)も注目される。主な経済指標の発表予定は12日の10月鉱工業生産と11月CPI(消費者物価指数)、14日の11月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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