米11月コアCPI、前月比0.3%上昇―前月から加速も市場予想と一致

経済

2023/12/13 8:24

<チェックポイント>

●家賃価格の上昇が全体を押し上げ

●全体指数は前月比0.1%上昇―エネルギーが低下、食品も減速

●市場、早期の利下げ観測が後退

 米労働省が12日に発表した11月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.3%上昇と、前月の0.2%上昇から加速したが、市場予想の平均値と一致した。また、前年比は4.0%上昇と前月から変わらず、市場予想とも一致した。

 全体指数は前月比0.1%上昇と、前月や市場予想の横ばいを上回ったが、前年比は3.1%上昇と前月の3.2%上昇から鈍化し、市場予想と一致した。

 前月比の内訳は、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.4%上昇と、10月の0.3%上昇から加速し、全体を押し上げた。 シェルター価格のうち、賃貸住宅の家賃は前月比0.5%上昇と、10月と変わらなかったが、帰属家賃(OER、持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの)は0.5%上昇と、10月の0.4%上昇から加速。ホテル宿泊料は1.1%低下と、10月の2.9%低下からさらに低下した。輸送サービスのうち、航空運賃は0.4%低下と2カ月連続で低下した一方、中古車は1.6%上昇と6カ月ぶりに上昇した。

 エネルギー全体では2.3%低下と、10月の2.5%低下に続き、2カ月連続で減速。都市ガスや電気料金は上昇したが、ガソリンが6.0%低下と、大きく減速した。また、食品も0.2%上昇と、10月の0.3%上昇から減速した。自宅調理用の食品の伸びが鈍化している。

 一方、前年比では、シェルター価格が6.5%上昇と8カ月連続で減速。航空運賃も12.1%低下と、10月(13.2%低下)に続いて2ケタの低下となった。ただ、自動車保険などを含めた航空運賃を含めた輸送サービス全体では10.1%上昇と、10月の9.2%上昇を上回った。

 食品は2.9%上昇と、8カ月連続で減速。エネルギーは、電力が上昇したものの、ガソリン、都市ガスはともに低下した。

 CPIではインフレの減速傾向が確認できたものの、一部の伸びが加速していることからFRBが高い金利水準を長期にわたって維持するとの見方が強まっており、早期の利下げ観測が後退した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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