【為替本日の注目点】FOMC24年度に3回の利下げを示唆
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
145円前後で推移していたドル円はFOMC後に急落。24年に複数回の利下げを示唆したことで142円65銭までドル売りが進む。ユーロドルでもドル安が進み、ユーロは1.0897まで上昇。株式市場ではドット・プロットで24年度には0.75ポイントの利下げが示されたことを好感し3指数が大幅高。ダウは512ドル上昇し、およそ2年ぶりに最高値を更新。債券も急騰。長期金利は前日比18bp下げ、4.0%台まで低下。この日発表されたPPIの鈍化も債券買いにつながる。金と原油は小幅高。
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11月生産者物価指数 → 0.9%
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マーケット情報
ドル/円 142.65 ~ 145.71
ユーロ/ドル 1.0781 ~ 1.0897
ユーロ/円 155.38 ~ 157.18
NYダウ +512.30 → 37,090.24ドル
GOLD +4.10 → 1,997.30ドル
WTI +0.86 → 69.47ドル
米10年国債 -0.184 → 4.016%
本日の注目イベント
豪 11月雇用統計
日 10月鉱工業生産(確定値)
欧 ECB政策金利発表
欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
英 BOE金融政策発表
英 BOE金融政策委員会(MPC)議事録
米 新規失業保険申請件数
米 11月小売売上高
米 11月輸入物価指数
米 11月輸出物価指数
今朝方発表されたFOMCでは予想通り政策金利は据え置かれ、パウエル議長の発言も想定を大きく超えるもではありませんでしたが、ややハト派寄りだったことで、ドル円は発表前の145円前後から急落し一時は142円65銭まで売られ、再び「ドル安円高」が進行しました。
各市場を大きく動かしたのは、FOMC参加者のドット・プロット(金利予測分布図)でした。予測中央値では、今後追加利上げはないとの見通しが示され、また2024年には複数回にわたって金利を引き下げる見通しも示されました。これまで続いてきた積極的な利上げ局面が終了したとするシグナルが示されたことになりますが、この部分は想定外でした。メンバーは2024年に、中央値で0.75ポイントの利下げを予想しており、0.25ポイントの下げ幅とすれば3回ということになります。予測はばらつきが多かったようですが、8人が0.25ポイントの利下げが3回未満となっている一方、5人はそれ以上の利下げを予想していました。この結果を受け、債券と株が大きく買われ、長期金利が急低下したことでドル売りが加速しました。株式市場では主要3指数が5日連続で買われ、NYダウは512ドル高。ついに3万7000ドルの大台に乗せ、およそ2年ぶりに「史上最高値」を更新しています。
声明文では「最近の複数の指標は、経済活動の伸びが第3四半期の力強いペースから鈍化してきたことを示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレはこの1年で緩和したが、依然として高い水準にある」と記しています。パウエル議長は会合後の会見で、「予測(ドット・プロット)はあらかじめ決められた計画ではない。物価上昇圧力が再び台頭しないようにするため、追加利上げの選択肢を外す用意はない」と述べ、ここまでは予想通りでしたが、「利下げは視野に入り始めており、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMC会合でも議論した」と発言しています。ここでは「利下げ」という言葉を使い、かなりハト派寄りの発言でした。
ドル円は先週木曜日の植田総裁の発言をきっかけに141円71銭まで急落しましたが、その後の戻しも急で、146円59銭まで反発しました。それでも戻りは今回の下落幅の「半値戻し」には届かず、さらに日足の戻りのメドでもある「基準線」(146円81銭)にも届かず、今回再び下落に転じ下値を試す展開になってきました。142円台半ばから先週記録した141円71銭までの間では、ドル買いが集まり易いと見られ、簡単には割り込まないかもしれませんが、反対に割り込んだ場合、今度は140円が大きな節目になろうかと思います。今年最後のFOMCはパウエル議長が「利下げの可能性」に言及して終えました。FRBによる積極的な利上げが功を奏したといったところですが、これで注目は来週の日銀です。ただ、「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」といった発言があった割には、現時点では「政策変更はなし」というのが市場のコンセンサスになっているようです。「利下げ」が言及されたことは一歩前進ですが、市場の反応はいつものように「オーバーリアクション」の感があることは否めません。本日のドル円は141円80銭~143円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
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