米11月小売売上高、前月比0.3%増―市場予想に反して増加

経済

2023/12/15 8:57

<チェックポイント>

●自動車とオンライン販売、外食が好調、全体を押し上げ

●コア売上高は前月比0.4%増

●ガソリン支出減少が自由裁量支出の拡大に寄与

 米商務省が14日に発表した11月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.3%増の7056億9200万ドルと、市場予想の平均値である0.1%減に反して増加に転じた。

 また、月ごとに変動が大きい自動車・同部品だけを除いた小売売上高は、前月比0.2%増となり、市場予想の横ばいを上回った。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.6%増、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.6%増だった。ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.4%増だった。いずれも市場予想を上回る。

 全13業種のうち、8業種が増加、5業種が減少した。レストラン・バーの外食が前月比1.6%増と8カ月連続で増加したほか、オンライン小売、自動車などが伸び、全体をけん引した。このほか、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍、ヘルスケア、家具・生活用品、アパレルが伸びている。

 対照的に、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスが同2.0%減となったほか、ホームセンターなどの建築資材・園芸、電器・家電、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売が減少。一般小売のうち、百貨店はクリスマス商戦の前哨戦となった「ブラックフライデー」の販売低迷を受け、同2.5%減と大きく落ち込んだ。ガソリン販売は価格低下とドライブ需要の後退により、同2.9%減と、前月の同1.2%減からさらに急減速した。市場ではガソリン支出が抑制されたため、自由裁量の消費支出が増えたと見ている。

 前年比は4.1%増と、前月の2.2%増を上回った。1月の6.4%増をピークに伸びは鈍化傾向にあるが、過去3カ月間(9-11月)の伸びは前3カ月(6-8月期)比で1.5%増、前年同期比3.4%増と、依然、消費は堅調さを維持している。

 市場では、ガソリン価格の低下が消費者の自由裁量の支出を拡大させたと見ている。なお、NRF(全米小売業協会)は年末商戦の売上高を前年比3-4%増になると予想している。

提供:ウエルスアドバイザー社

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