<新興国eye>前週のロシア株、通貨ルーブル高と原油価格の回復を受け3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2023/12/18 8:56

 前週(11-15日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の15日終値は前日比0.49%高の1060.64、前週比では8日終値比0.60%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け11日は指数が下落した。翌12日は反発、13日も続伸した。14日は反落。

 週前半は、ブレント原油先物が一時、1バレル当たり76ドルに下落したことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では金融大手ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)が11月純利益の大幅減益を受け、急落、下げを主導。その後は、通貨ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。ただ、原油価格が74ドルを割り込んだことや、米国の対ロ追加制裁、ロシア中銀の追加利上げ観測が強まり、上値は重くなった。

 週後半は、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。原油価格が74ドル超に回復したことや、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を据え置き、24年からの利下げ転換の見通しが強まったことも支援材料となった。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ロシア中銀が週末の金融政策決定会合で追加利上げを決めるとの観測も売り材料となった。ただ、原油価格が77ドルに上昇したため、下値は抑えられた。

 週末15日は反発。ロシア中銀は金融政策決定会合で、予想通り1ポイントの追加利上げを決めたことや、23年GDP伸び率の見通しを3%増に上方修正したことが好感され、買いが優勢となった。ただ、石油最大手ルクオイルが減配の発表後、急落したため、上値は重くなった。

 今週(18-22日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える20日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や21日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は20日の11月WPI(卸売物価指数)など。指数は1000-1100のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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