<新興国eye>前週のブラジル株、ブラジル中銀の再利下げや24年米利下げ観測に反発=BRICs市況

新興国

2023/12/18 8:57

 前週(11-15日)のブラジル株式市場は15日のボベスパ指数が前日比0.49%安の13万0197.1、週間ベースでは8日終値比2.44%高と、反発した。

 週明け11日は指数が下落、翌12日も続落した。13日は急反発、14日も続伸した。

 週前半は、ブラジル中銀とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控え、両国の金利差が意識され、ドル高が進むとの観測で株式市場では売りが優勢となった。ただ、ブラジル中銀の経済週報で、23年GDP伸び率の見通しが前週予想の2.84%増から2.92%増に引き上げられた一方、23年のインフレ見通しは4.54%上昇から4.51%上昇に引き下げられたことが好感されたため、下値は限られた。

 その後は、米11月CPI(消費者物価指数)が前月比0.1%上昇と、市場予想(横ばい)を上回ったことを受け、インフレへの警戒感が強まり、米利下げ転換が遅れるとの観測で売りが強まった。ブラジルの11月IPCA(拡大消費者物価指数)は前月比0.28%上昇と、やや加速したが、市場予想を下回ったため、反応薄だった。

 週後半は、FRBが政策金利を据え置き、24年からの利下げ転換の見通しが強まったことや、海外市場も上昇したことが好感され、買いが優勢となった。その後は、高値で取引を終え、指数は過去最高値を更新した。ブラジル中銀が政策金利を0.5ポイント再利下げしたことや米金利がピークに達した可能性があることが背景。また、指数の構成ウェートが高い国営石油大手ペトロブラスが急騰、上げをけん引。

 週末15日は反落。これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。重要な貿易相手国である中国の11月小売売上高などの経済指標が軟調となり、中国の景気懸念が嫌気されたことも売り材料となった。

 今週(18-22日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は20日のGDP伸び率の先行指標となっている10月IBC-Br(経済活動指数)や22日の11月経常収支とジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)12月消費者信頼感指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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