<新興国eye>前週のインド株、海外株高や24年の米利下げ転換観測を受け7週続伸=BRICs市況

新興国

2023/12/18 8:57

 前週(11-15日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の15日終値は前日比1.38%高の7万1483.75、週間ベースでは8日終値比2.37%高と、7週続伸した。

 週明け11日は指数が上昇。翌12日は3営業日ぶりに反落したが、13日は小反発、14日も続伸した。

 週前半は、国営インド銀行が4500億ルピーの資金調達に成功したことを受け急騰し、国営銀行セクターの上昇勢いが強まり、買いが優勢となった。指数は過去最高値を付けた。ただ、ジェネリック医薬品大手ドクター・レディー・ラボラトリーズが急落、上値を抑えた。米食品医薬品局(FDA)が同社工場の視察後に注意事項を指摘したことが背景。

 その後は、インド11月小売りインフレ率と米11月CPI(消費者物価指数)、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控え、買いが慎重となり、売りが優勢となった。複合企業大手リライアンス・インダストリーズや金融大手のインダスインド銀行、自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)など大型株が下げをけん引。

 週後半は、FRBの金融政策決定会合の結果待ちとなる中で、売りが先行したが、引け際に買いが入り、指数はプラス圏で終わった。米11月CPIが前月比0.1%上昇と、市場予想(横ばい)を上回ったことを受け、インフレへの警戒感が強まり、米国市場で売り上げを伸ばしているタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシスなどのITセクターが売られた。その後は、FRBが政策金利を据え置き、24年からの利下げ転換の見通しが強まったことや、海外市場も上昇したことが好感され、買いが優勢となった。

 週末15日は3日続伸。引き続き、FRBの24年の利下げ転換の見通しと海外株高が支援材料となり、指数は日中最高値を更新した。

 今週(18-22日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニューも注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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