<新興国eye>前週のロシア株、原油高やルーブル高、企業配当金期待を受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2024/1/15 8:59

 前週(8-12日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の12日終値は前日比0.37%高の1136.06、前週比では5日終値比4.48%高と、3週続伸した。

 週明け8日は指数が上昇、11日まで6営業日続伸した。

 週前半は、欧州株高が好感され、買いが優勢となった。ただ、通貨ルーブル安と原油安が重石となり、上値は重くなった。原油安はサウジアラビアが2月から原油価格の引き下げを発表したことが背景。個別銘柄では国営金融大手VTB(対外貿易銀行)と石油大手スルグトネフチガスが急騰、上げをけん引した。

 その後は、ブレント原油先物が1バレル当たり77ドルに持ち直したことを受け、買いが強まった。また、世銀が1月世界経済見通しで、ロシアの23年GDP伸び率見通しを1.6%増から2.6%増に上方修正したことも支援材料となった。ちなみに、24年の成長率見通しは1.3%増、25年は0.9%増に据え置かれた。ただ、ルーブル高を受け、主要企業の一部銘柄で利益確定売りが見られた。

 週後半は、原油価格が中東イエメンの武装勢力フーシ派による紅海での船舶攻撃を受け、一時78.5ドルに急騰し、買いが優勢となった。ただ、引けにかけて原油価格が弱含んだため、上値は限られた。その後は、ルーブル高の進行や、原油価格が78.8ドルに上昇したことを受け、買いが広がった。個別銘柄では鉄鋼最大手セベルスタルが配当期待から買われ、地域発電公社TGK-2とともに上げをけん引。

 週末12日は7営業日続伸。原油価格が80.75ドルに急騰、また、ルーブル高が進んだことが好感され、買いが優勢となった。原油高騰は米英によるフーシ派の軍事拠点空爆が背景。

 今週(15-19日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える17日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や18日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は17日の11月貿易収支など。指数は1100-1180のレンジの動きが予想される。

<関連銘柄>

RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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