【為替本日の注目点】米金利の上昇にドル円148円台半ばまで続伸

為替

サーチナ

2024/1/18 10:29

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は続伸し、148円52銭まで買われる。小売売上高が予想を超え、米利下げ観測が一段と後退したことが背景。ユーロドルは小幅ながら続落し、1.0845まで売られる。株式市場では3指数が揃って続落。個人消費の底堅さが確認され、FRBは利下げを急がないとの見方から売りが優勢に。債券も続落。長期金利はおよそ1カ月ぶりに4.1%台に乗せる。金は続落。原油は小幅に反発。

12月小売売上高 → 0.6%

12月輸入物価指数 → 0.0%

12月輸出物価指数 → -0.9%

12月鉱工業生産 → 0.1%

12月設備稼働率 → 78.6%

1月NAHB住宅市場指数 → 44

マーケット情報

ドル/円 147.68 ~ 148.52

ユーロ/ドル 1.0845 ~ 1.0883

ユーロ/円 160.45 ~ 161.26

NYダウ -94.45 → 37,266.67ドル

GOLD -23.70 → 2,006.50ドル

WTI +0.16 → 72.56ドル

米10年国債 +0.044 → 4.102%

本日の注目イベント

豪  豪12月雇用統計

日  11月鉱工業生産(確定値)

台湾 企業決算 → TSMC

欧  ユーロ圏11月経常収支

欧  ラガルド・ECB総裁講演

欧  ECB議事要旨(12月会合)

米  新規失業保険申請件数

米  12月住宅着工件数

米  12月建設許可件数

米  1月フィラデルフィア連銀景況指数

米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

 米個人消費の底堅さが示されたことで債券と株式が売られ、ドル円は148円台半ばまで上昇。昨日のNYでは円が「独歩安」の展開で、ユーロ円は1カ月半ぶりに161円台まで上昇してきました。この1カ月間、FRBが0.25%の利下げを行う確率がほぼ100%織り込まれた場面が何回もありましたが、昨日の債券スワップ市場では、1-3月(第1四半期)にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25%引き下げられる確率は50%まで低下しています。利下げに対して前のめりになった市場の見方が徐々に修正されている状況です。

 昨年12月の米小売売上高は、前月比で「0.6%増」と、3カ月ぶりの大幅増加でした。ホリデー期間ではあったものの、個人消費は堅調で、2024年にかけても消費の底堅さが続くと見られています。13項目のうち9項目で増加しており、衣料品、百貨店を含む総合小売り、無店舗での伸びが目立っています。「雇用や賃金の伸び鈍化が広がり、金利上昇の遅行効果が一定の打撃を追加的にもたらすのに伴い、さらなる減速がこの先待ち受けていると考えられるが、より急激な下振れが訪れることを示唆する要素はまだほとんどない」といったコメントをブルームバーグは紹介しています。この日発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、「ホリデー期間中、消費は大半の地区の予想通りとなったほか、NYを含む3地区では予想を上回り、安堵感をもたらす結果になった」と記されていました。

 ドル円は経済指標の発表を受け148円52銭まで買われ、これで昨年末の水準から7円52銭(5.3%)ほど円安が進んだことになります。日足ではローソク足が完全に雲抜けを完成させて、さらなる上昇も予想されますが、やや気になるのが、MACDではまだ「シグナル」がゼロの軸を越えていない点と、「遅行スパン」ではローソク足を抜けてはいるものの、雲の下限に差しかかっている点です。これで145-150円のレンジに入ったと思われますが、わずか1カ月で「ドルベア」から「ドルブル」へと変わる変化の速さです、この先も逆の事が起きる可能性はあり、市場の「変わり身の早さ」は常に意識しておくことが肝要かと思います。

 ダボス会議に出席中のラガルドECB総裁はブルームバーグのインタビューを受け、米大統領選について質問を受けると、即座にコーヒーカップを持ち上げ、「ああ、ちょっと一服させて」と言って聴衆を笑わせた動画が伝えられています。ラガルド氏はしばらく考え、言葉を選ぶように、「もちろん、われわれは皆懸念している。米国は世界最大の経済大国であり、最大の軍事大国であり、民主主義の象徴だからだ」と述べ、「全ての『もしも』のシナリオを考慮する必要があり、欧州は強くあらねばならず、世界中の友人に頼れると仮定すべきではない。友人関係は変わる可能性があるからだ」と、微妙な言い回しをしていました。ラガルド氏はECB総裁の前にはIMFのトップを務めており、ワシントンでトランプ氏の大統領就任を間近で観る機会もあり、「トランプ氏の2期目のリスクについて遠慮なく警告できるのは、そのためかもしれない。冗談めかしてもいるが、同時に非常に真剣だった」とブルームバーグはコメントしています。米共和党候補の第2戦目は、23日にニューハンプシャー州で行われます。

 本日のドル円は147円30銭~148円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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