<新興国eye>前週の上海株、金利据え置きや10-12月期GDPを受け3週続落=BRICs市況

新興国

2024/1/22 9:11

 前週(15-19日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで3週続落。19日は2832.28(12日終値比1.73%安)だった。

 週明け15日は指数が上昇、翌16日も続伸した。17日は急反落、18日は反発した。

 週前半は、中国人民銀行(中銀)が資金供給ツールの1つである中期流動性ファシリティ(MLF))の1年物を通じ、金融機関に9950億元を供給したが、予想に反し、金利を据え置いたことを受け、方向感のない展開となり、かろうじてプラス圏で引けた。その後は、23年10-12月期GDP伸び率の発表を翌日に控え、買いが慎重となる中ながら、買いが優勢となった。

 週後半は、市場が注目した23年10-12月期GDP伸び率が前月比5.2%増と、市場予想(5.3%増)を下回ったことが嫌気され、売りが優勢となった。また、同日発表された23年12月新築住宅価格も前月比が15年2月以来約9年ぶりの大幅下落となったことや、習近平国家主席が欧米とは異なる特色のある現代的な金融システムの構築を加速させると発言したことを受け、市場では金融システムに大量の流動性を供給せず、反対に規制を強化すると受け止められたことも売り材料となった。

 その後は、売りが先行したが、主要指数に連動する上場投資信託(ETF)の売買代金が拡大、市場では「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドの資金150億元(通常の約3倍)が投入されたとの観測で買いが優勢となった。外国人投資家は売り越しだった。

 週末19日は反落。当局からは積極的な景気刺激策が示されなかったため、中国経済に対する悲観的な見通しが強まり、売りが強まった。

 今週(22-26日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、さらには中国人民銀行の中期流動性ファシリティー(MLF)金利の決定(22日)も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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