FOMC、政策金利を据え置き―パウエル議長は3月利下げに慎重な姿勢

経済

2024/2/1 9:11

<チェックポイント>

●FRB、低水準の失業率やインフレ高止まりを指摘

●利下げサイクルの完了鮮明に

●FRB議長、「雇用市場が弱ければ利下げ議論」と

 FRB(米連邦準備制度理事会)は1月31日のFOMC(公開市場委員会)会合で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を5.25-5.50%(中心値5.375%)に据え置くことを全員一致で決めた。市場の予想通りだった。4会合連続での据え置きは、22年3月に利上げサイクルを開始して以降で初めて。

 FRBは声明文で、金利据え置きを決めたことについて、雇用者数の増加ペースは鈍化している一方で失業率が低水準であること、インフレ率も高止まりしていることをあげている。

 金融政策のフォワードガイダンス(金融政策の指針)では、物価目標2%に向けて追加利上げが必要か否かの文言が削除され、代わりに、「長期的には雇用の最大化と2%上昇の物価目標の達成を目指している。雇用とインフレの目標達成に対するリスクのバランスが改善されつつある」との文言を追加、利上げサイクルの完了を鮮明にした。

 一方で、「インフレ率が2%上昇に向けて持続的に推移しているという確信が高まるまでは政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を引き下げるのは適切ではないと考えている」とし、市場の早期利下げ観測をけん制する格好となった。

 パウエルFRB議長は会合後の会見で、冒頭、「政策金利はおそらく引き締めサイクルのピークに達したと考えており、経済がおおむね予想通りに推移すれば、今年(24年)のある時点で、制限的な金融引き締めを弱めることが適切になる可能性が高い」とした。

 利下げ開始時期については、「(次回FOMCの)3月を(利下げ)時期と特定するという確信レベルに達する可能性は低いと思う」と述べ、市場の3月利下げ開始の憶測を否定。ただ、「3月会合以降は間違いなくフェアゲーム(恰好の標的)」とし、5月以降の利下げ開始に楽観的な見方を示している。パウエル議長は、「雇用市場が弱くなれば、早めの利下げが議論されるだろう」とも指摘した。

 次回会合は3月19-20日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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