<新興国eye>前週のブラジル株、米3月利下げ観測後退やゴル航空の経営破綻に反落=BRICs市況

新興国

2024/2/5 8:58

 前週(1月29日-2月2日)のブラジル株式市場は2日のボベスパ指数が前日比1.01%安の12万7182.25、週間ベースでは1月26日終値比1.38%安となり、反落した。

 週明け29日は指数が下落、翌30日も続落した。31日は反発、2月相場入りした1日も続伸した。

 週前半は、前週(1月25日)、ゴル航空が米国で、日本の会社更生法にあたる米連邦破産法第11条の適用申請を行ったことを受け、ボベスパなど主要株価指数から除外されることが決まり、売りが優勢となった。その後は、ゴル航空がB3(サンパウロ証券取引所)の管理銘柄に指定されたことを受け、約27%急落、下げをけん引した。また、23年の雇用統計が発表され、新規雇用者数が前年比26.3%減の148万人となったことが嫌気された。

 週後半は、指数が持ち直し、プラス圏で引けたものの、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控える中、3月利下げ観測が後退、5月に遅れるとの見方が強まり、売り圧力が高まったため、上値は限られた。その後は、ブラジル中銀が予想通り0.5ポイントの利下げと、今後も同率の追加利下げの方針を示したことが好感され、買いが優勢となった。金利低下シナリオで消費関連株が買われたほか、複合企業大手ソーマグループと高級婦人靴・ハンドバック専門店チェーン大手アレッツォの合併観測も支援材料となった。

 週末2日は反落。米1月雇用統計が発表され、新規雇用者数が予想を大幅に上回ったことを受け、利下げ開始時期が遅れるとの観測が強まり、売りが優勢となった。米金利高が長期化すれば、ブラジルなど新興国市場からの資金流出懸念が強まることが背景。また、指数の構成ウエートが高い国営石油大手ペトロブラスと鉱山大手ヴァーレが急落、下げをけん引した。

 今週(5-9日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。

 主な経済指標の発表予定は5日の12月経常収支と1月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI(購買担当者景気指数)、6日の1月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)、7日の12月小売売上高と12月財政収支、1月貿易収支、8日の1月IPCA(拡大消費者物価指数)、9日の12月サービス業成長率など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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