<米国株情報>中国アリババ、10-12月期利益・売上高予想下回り、株価急落ー自社株買い追加でも

株式

2024/2/8 9:28

 中国インターネット大手アリババ・グループ<BABA>が7日朝、寄り付き前に発表した23年10-12月期(第3四半期)決算は、純利益(親会社株主に係る利益)が前年比69%減の144億3300万元、1株当たり利益(EPS、希薄化後)も同68%減の0.71元と、大幅減益となった。

 売上高は前年比5%増の2603億元にとどまった。特に、主力の中国国内の淘宝網(タオバオワン)と天猫(Tmall)のイーコマース事業はわずか同2%増の1291億元、また、成長分野であるクラウド・インテリジェンス(クラウドとAI)事業も同3%増の281億元にとどまった。

 市場ではアリババのイーコマース事業の低い伸びは中国の景気低迷によって消費が落ち込む中、同業大手のピンドゥオドゥオやテムの親会社PDDなど格安チェーンとの競争激化で市場シェアを奪われていると見ている。

 クラウド事業の低い伸びは予想されていた。同社は前期決算発表時に米国の中国向け先進半導体輸出規制が23年10月から強化されたため、クラウド事業に重大な悪影響を与える可能性がある」と警告していた。米政府は23年10月、エヌビディア<NVDA>の中国向け半導体輸出規制の対象を「H800」と「A800」のAI半導体に拡大している。

 ただ、アリエクスプレスなど国際イーコマースのグローバル・デジタル・コマース事業は前年比44%増の285億元、物流サービスのツァイニャオ・スマート・ロジスティクス事業は同24%増の285億元、料理宅配などのローカルサービス事業は同13%増の152億元、映画や動画配信サービスなどのデジタルメディア&エンターテインメント事業は同18%増の50億元と、好調となった。

 また、同社は業績低迷の穴埋めとして、株主への利益還元を強化するため、27年3月末まで250億ドル相当の自社株買いを追加すると発表した。この結果、今後3年間で実施される自社株買いの総額は既存分を含め、計353億ドルに達する。

 これを受け、アリババの株価(ADR)は7日朝、寄り付き前に、自社株買いの追加を好感、一時、前日終値比で5%急騰したが、その後、急速に値下がりし、米東部時間後午前8時27分時点で、3.81%安の75.25ドルと、落ち込んでいる。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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