米2月雇用統計、非農業部門雇用者数は27.5万人増―失業率が3.9%に上昇

経済

2024/3/11 8:10

<チェックポイント>

●賃金は前月比0.1%増、前年比4.3%増に鈍化―インフレ圧力緩和

●ヘルスケアとレジャー・接客業が急増―政府部門も堅調維持

●先物市場、6月利下げ開始を織り込む

 米労働省が8日に発表した2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比27万5000人増となり、市場予想の平均値である20.0万人増を大きく上回った。ただ、過去分については、1月が35.3万人増から22.9万人増、12月が33.3万人増から29.0万人増にそれぞれ下方改定されている。

 また、失業率は3.9%と、1月や市場予想の3.7%を上回り、22年1月の4.0%以来、2年1カ月ぶりの高水準となった。一方、FRBが重視している27週間以上の長期失業者数の割合は18.7%と、1月の20.8%から低下に転じた。

 平均時給は前月比0.1%増の34.57ドルと、前月の0.5%増から伸びが鈍化し、市場予想の0.3%増を下回った。前年比は4.3%増と、前月の4.4%増から減速、21年6月の3.9%増以来の低い伸びでインフレ圧力が低下している。

 労働時間は34.3時間と、市場予想と一致した。勤務時間の減少は需要の弱まりを示す。

 雇用者増の主な内訳は、成長産業である医療分野のヘルスケアが前月比6万7000人増、レストラン・バーが4万2000人増と堅調だったが、製造業は4000人減と、1月の8000人増から急減速した。他方、金利上昇(住宅ローン金利の上昇)の影響を受けやすい建設業は最近の金利低下を反映し、2万3000人増と、1月の1万9000人増からさらに伸びた。

 サービス業は前月比20万4000人増と、1月の15万3000人増から加速、全体を押し上げた。また、雇用市場をけん引するレジャー・接客業は前月比5万8000人増と、1月の8000人増から急加速した

 部門別では、民間部門(事業所統計)が前月比22万3000人増と、1月の17万7000人増から加速。他方、政府部門は5万2000人増と、1月と同じ伸びとなった。

 セントルイス連銀元総裁のジェームズ・ブラード氏は、失業率が3.9%に上昇したことを受け、FRBによる利下げ時期が想定よりも早まる可能性があると指摘。その上で、同氏は、「失業率がさらに4%を超えれば、FRBは雇用市場でソフトランディング(軟着陸)を達成していると安心できるだろう」と述べている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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