RBA、政策金利を据え置き―引き締めサイクル終了を示唆

経済

2024/3/19 14:56

<チェックポイント>

●インフレの高水準が据え置きの決め手

●「金利上昇の可能性は排除できない」との文言を削除

●市場、8-9月ごろの利上げ開始を予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は19日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を4.35%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。据え置きは3会合連続。

 資金吸収オペとして、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも4.25%に据え置いた。

 RBAのブロック総裁は、インフレが依然として高い水準にあることが政策金利の据え置きの決め手になったとしており、声明文では、前回会合同様、インフレが妥当な時間内で物価目標に戻ることを確実にするための金融政策の道筋は不透明としたが、「さらなる金利上昇の可能性は排除できない」とする文言を削除。引き締めサイクルが終了した可能性を示唆した。

 市場では、8月か9月に利下げが開始されるとみている。

 RBAは今後のインフレ動向について、25年に前年比2-3%上昇の物価目標の範囲に戻り、26年には中間点に戻ると予想。需要が緩やかになり、労働コストと非労働コストの伸びが鈍化するにつれて、サービス価格のインフレは徐々に低下するとみている。また、雇用は引き続き緩やかに増加するとし、失業率と広範な非活用率はさらに若干上昇するとした。

 また、インフレ見通しの不確実性(リスク)について、「海外ではサービス価格のインフレが高い水準で推移しており、オーストラリアでも同様のことが起こる可能性がある」との文言を残した。また、中国経済の先行きや、ウクライナ、中東紛争の影響についても依然として不確実性が高いとしている。

 一方、インフレ高止まりリスク要因である賃金上昇の見通しについては、23年10-12月期にピークに達したとして、今後1年間で鈍化する兆しがあるとした。

 景気の見通しについては、インフレが実質所得を圧迫しており、家計消費の伸びが弱いことから不透明との認識を示している。

 次回会合は5月6-7日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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