(再送)米2月中古住宅、前月比9.5%増の年率438万件―1年前の直近ピークに接近(2)

経済

2024/3/22 9:15

<チェック・ポイント>

●住宅価格は前年比5.7%上昇―2月としては過去最高値

●住宅在庫(供給)が前年比10%超増となり、需要満たし販売急増

●住宅ローン回避の現金購入者比率が33%と、約13年ぶり高水準に

 2月の住宅価格(中央値)は前月比1.6%上昇の38万4500ドルと、上昇に転じた。23年11月(38万7800ドル)以来、3カ月ぶりの高値となり、2月の価格としては過去最高だった。前年比も5.7%上昇と、8カ月連続で前年水準を上回っている。ただ、22年6月(41万3800ドル)のピーク時を7.1%下回っている。

 主力の一戸建も前月比1.5%上昇の38万8700ドルと、8カ月ぶりに上昇、23年11月(39万2200ドル)以来の高値となった。22年6月のピーク時(42万0900ドル)を7.7%下回っているが、前年比は5.6%上昇と、依然、高い伸びとなっている。

 また、住宅価格が下がりにくい要因として、格安なフォークロージャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)物件やショートセールズ(フォークロージャー手続きに進む前の早い段階で債務者と債権者が協議して住宅を任意売却)物件などのディストレスト物件の供給が細っていることがある。2月のディストレスト物件の販売比率は3%と、前月や1年前とほぼ変わっていない。

 一方、手ごろな価格帯の住宅供給不足と高水準の住宅価格を反映し、2月の新規住宅取得者の比率は26%と、前月の28%と1年前の27%を下回り、過去平均の40%を大きく下回り、依然、低水準だ。

 対照的に、住宅ローン金利の影響を受けない現金購入者の比率は2月が33%と、1月の32%や12月の29%、11月の27%、1年前の28%を上回り、11年3月以来約13年ぶりの高水準となった。最近の株高や住宅価格の上昇で資産価値が過去最高に達しているため、住宅ローンよりも現金を使うケースが多い投資家やセカンドホーム購入者の比率が販売全体の21%と、前月の17%を上回ったことに関連している。

 市場では住宅ローン金利が依然高水準のため、3-4%の低金利時に中古住宅を購入した所有者は持ち家の売却に慎重になっており、供給不足を引き起こしていることが、引き続き課題と見ている。また、市場では依然、高水準の住宅ローン金利が経済活動の重しとなっており、また、住宅供給が大幅に増えないため、住宅価格の高止まりが続き、住宅販売を圧迫すると懸念している。

提供:ウエルスアドバイザー社

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