米3月中古住宅販売件数、前月比4.3%減の年率419万件―市場予想やや下回る

経済

2024/4/19 8:42

<チェックポイント>

●供給不足と住宅ローン金利の上昇が影響

●低金利時の購入者が売却に慎重な姿勢と

●住宅価格は7カ月ぶり高値

 NAR(全米不動産業協会)が18日に発表した3月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比4.3%減の年率換算419万件と、2月の9.5%増から3カ月ぶりに減少に転じ、市場予想の平均値である420万件をやや下回った。前年比は3.7%減と、2カ月連続で前年水準を下回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「販売用住宅の供給が少ないことに加え、住宅ローン金利の再上昇が販売低迷につながっている」とし、今後の販売見通しについても住宅ローン金利と住宅供給に影響されるとみている。

 住宅供給の過不足感を示す3月時点の未販売住宅(在庫)は前月比4.7%増の111万件と3カ月連続で増加したが、05年の住宅ブーム時の200万件を大きく下回り、供給不足感が強いとされる。

 販売物件が3月中に市場に残っていた期間は33日間と、前月の38日間よりも少なく、この販売ペースで換算した在庫水準は3.2カ月分(前月は2.9カ月分)と23年11月の3.5カ月分以来の高水準となったが、適正水準とされる5-6カ月分には届いていない。

 こうした供給不足を反映し、3月の住宅価格(中央値)は前月比2.5%上昇の39万3500ドルと2カ月連続で上昇、23年8月の40万4200ドル以来、7カ月ぶりの高値となった。3月としては過去最高値。前年比も4.8%上昇と、9カ月連続で前年水準を上回っている。

 3月の新規住宅取得者の比率は32%と、前月の26%や1年前の28%を上回ったが、過去平均の40%を大きく下回った。ヤン氏は、「現在は中価格帯の物件に複数の購入希望者が出ている」としている。

 市場は、住宅ローン金利が高水準のため、低金利時に中古住宅を購入した所有者が持ち家の売却に慎重になっており、供給不足を引き起こしているとみている。高水準の住宅ローン金利は経済活動の重しとなっており、住宅供給が改善しない限り住宅価格の高止まりが続き、住宅販売を圧迫すると懸念している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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