(再送)<新興国eye>前週のブラジル株、中東紛争拡大懸念や財政規律目標引き下げに3週続落=BRICs市況

新興国

2024/4/22 8:59

 前週(15-19日)のブラジル株式市場は19日のボベスパ指数が前日比0.75%高の12万5124.3、週間ベースでも12日終値比0.65%安となり、3週続落した。

 週明け15日は指数が下落、17日まで6営業日続落。18日は小反発した。

 週前半は、イスラエルとイランの戦火拡大懸念で海外株安となったことを受け、ブラジル市場でもリスク選好投資が避けられ、売りが優勢となった。また、政府が財政規律目標を引き下げ、25年の財政黒字化の可能性を断念したことも売り材料となった。

 その後は、引き続き、財政規律目標引き下げが財政支出拡大の余地を残すとして、売りが一段と強まった。政府の財政規律緩和方針を受け、ブラジル中銀のロベルト・カンポス・ネト総裁が現在の利下げサイクルの終点水準が見直される可能性を指摘、また、米3月小売売上統計が強い内容となり、米国の早期利下げ観測が後退したしたことも売り材料となった。

 週後半は、米国の早期利下げ観測の後退と、イスラエル・イラン紛争激化懸念、国内では財政規律の達成遅延に伴う利下げサイクル見直し懸念が相場を押し下げた。その後は、売りが先行したが、最終日にかけて急速に持ち直し、プラス圏で引けた。カンポス・ネト総裁が米国のワシントンDCで開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で、「ドル高シナリオは常に問題であり、世界各国中銀が反発する可能性がある」と述べ、米国の利下げ開始の遅れを批判したことを受け、買いが強まった。

 週末19日は続伸。イスラエルによるイラン領土への報復攻撃は軍事基地に限定されたため、紛争はエスカレートしないとの楽観的な見方が広がり、買い安心感が広がった。

 今週(22-26日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、ペトロブラスの首脳人事なども注目される。主な経済指標の発表予定は24日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)4月消費者信頼感指数や25日の3月経常収支、26日の4月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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