米1-3月期GDP、前期比1.6%増―市場予想下回る

経済

2024/4/26 8:41

<チェックポイント>

●個人消費が市場予想下回る―住宅投資や政府投資は成長率押し上げ

●原油価格上昇で輸入が急増―GDPの押し下げ要因に

●コアPCE物価指数、前年比3.7%上昇に加速―市場予想上回る

 米商務省が25日に発表した1-3月期実質GDP(国内総生産、季節調整済み)伸び率・速報値は、前期比年率1.6%増と7期連続で拡大したが、前期(23年10-12月期)の3.4%増や、市場予想の平均値である2.5%増を下回った。

 GDP全体の約7割を占める個人消費は前期比年率で2.5%増と、前期の3.3%増から伸びが減速、市場予想の3.0%増を下回った。GDP成長率寄与度は1.68ポインだった。個人消費以外では、住宅投資と企業投資、政府投資がプラス成長に寄与した。

 民間投資(企業投資と住宅投資)は5.3%増と、前期の3.5%増を上回り、5期連続で増加。GDP成長率寄与度も0.91ポイントと、前期の0.61ポイントを上回り、5期連続で成長率を押し上げた。

 民間投資のうち、企業投資は2.9%増と、前期の3.7%増から鈍化したが、このうち機械などの設備投資は2.1%増(前期は1.1%減)となった。住宅投資は13.9%増と、前期の2.8%増から急加速し、20年末以来、3年超ぶりの高い伸びとなった。政府部門(政府消費支出と固定資本形成)は1.2%増と、前期の4.6%増からさらに伸び、7期連続で増加、GDPを押し上げた。

 一方、GDP押し上げ要因である企業在庫投資の実質変動額は前期比年率354億ドル増と、前期の549億ドル増を大きく下回り、成長率を押し下げた。GDP成長率寄与度はマイナス0.35ポイントだった。米利下げ開始時期が遅れるとの見方から企業が在庫を抑えているようだ。

 外需はGDP押し上げ要因の輸出が0.9%増と、前期の5.1%増から急減速した一方で、GDP押し下げ要因である輸入は7.2%増(前期は2.2%増)と急加速した。輸入の急増は主に原油価格の上昇。この結果、貿易赤字は9732億ドルと、前期(9185億ドル)から拡大。外需のGDP成長率寄与度はマイナス0.86ポイント(前期は0.25%ポイント)と、大きく成長率を押し下げた。

 名目GDP伸び率から実質GDP伸び率を算出するときに使われる物価指数であるGDPデフレーターは、前期比年率で3.1%上昇と、前期の1.6%上昇や市場予想の2.9%上昇を大きく上回った。

 PCE(個人消費支出)物価指数も3.4%上昇と、前期の1.8%上昇を上回り、伸びが加速。FRBが最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)も3.7%上昇(前期は2%上昇)と、23年1-3月期(5%上昇)以来、1年ぶりの高い伸びとなり、市場予想の3.4%上昇を上回った。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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