米4月新築住宅販売件数、前月比4.7%減の63.4万件―市場予想下回る

経済

2024/5/24 8:40

<チェックポイント>

●過去3カ月分は下方改定

●住宅ローン金利の再上昇や高水準の住宅価格が販売減の要因

●住宅在庫は増加―今後の価格抑制を期待

 米商務省が23日に発表した4月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比4.7%減の年率換算63万4000件となり、市場予想の平均値である67万8000件を下回った。前年比は7.7%減で、前年割れは13カ月ぶり。3月分は66.5万件(改定前は69.3万件)に下方改定され、過去3カ月(1-3月)の販売件数は計4万1000件の下方改定となった。

 市場では4月の伸びが急減速したのは、春は住宅の需要期とされ、住宅在庫(供給)は増えたが、高水準の住宅ローン金利と住宅価格が購入を抑制したとみられる。

 住宅ローン金利は23年10月に8%に迫ったが、今年1月には6%台まで低下。ただ、その後は再び上昇し、足元では7%前後で高止まりしている。一方、建築業者は販売促進のために値下げを行っており、4月の住宅価格は中央値(季節調整前)で、前月比1.4%低下の43万3500ドルとなったが、前年比では3.9%上昇と依然高水準となっている。

 ただ、住宅供給(在庫)の過不足感を示す4月時点の新築住宅在が前月比2.1%増(前年比12.1%増)の48万件と4カ月連続で増加し、16年3カ月ぶりの高水準となったことで、今後の価格抑制を期待する見方もある。

 全体の住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成件数も前月比7.7%増の9万8000件と、14年5カ月ぶりの高水準となった。市場では春の需要を見越し、建築業者が供給を増やしたようだ。

 市場は今後、住宅ローン金利が低下すると予想しており、販売件数の潮目が変わる可能性があると楽観的にみている。今後も中古住宅の供給が制限され続ける可能性があるため、新築市場に購入需要がシフトし、25年には新築住宅の販売件数が年間80万件に達すると予想している。

 なお、新築住宅統計はサンプル数が少ないため月によって変動が大きく、数値の大幅改定を受けやすいこともあり、今回の販売件数も割り引いて見る必要がある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ