<新興国eye>前週のインド株、堅調な経済指標やモンスーン期が早まる見通しに続伸=BRICs市況

新興国

2024/5/27 8:57

 前週(21-24日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の24日終値は前日比0.01%安の7万5410.38、週間ベースでは18日終値比1.9%高と、続伸した。

 週明け20日は「総選挙の日」の祝日で休場。取引が再開された翌21日は指数が下落した。22日は反発、23日も続伸した。

 週前半は、休み明け後、取引が再開され、格付け大手ICRAがインドのGVA(粗付加価値額)ベースの1-3月期成長率見通しを前年比6.7%増と、前期の同8.4%増から伸びが鈍化する見通しを示したことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、鉄鋼大手のJSWスチールやタタスチール、営送電大手パワー・グリッド、電力大手NTPCが堅調となり、相場を下支えした。

 週後半は、金属セクターが上昇、上げをけん引した。中国政府が不動産市場の支援措置を発表したこと受け、非鉄金属相場が上昇したことが好感された。英蘭系食品・日用品大手ユニリーバのインド法人ヒンドゥスタン・ユニリーバや複合企業大手リライアンス・インダストリーズ、IT大手インフォシスなども堅調となった。ただ、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の発表を控え、積極的な買いが抑えられたため、上値は重くなった。

 その後は、5月S&Pグローバル・HSBC総合PMI(購買担当者景気指数)が61.7と、4月の61.5を上回ったことや、モンスーン期(6-9月)が早めに到来する見通しとなったことが好感され、買いが優勢となった。また、アダニ・グループが事業拡大に30億ドルを投資するとの報道を受けて急騰、上げをけん引。

 週末24日は小反落。インド準備銀行(中銀)の多額の政府納付金が財政収支に寄与するとの観測で、一時、買いが強まったが、ほぼ横ばいで終わった。個別銘柄では航空輸送・空港サービス大手インターグローブ・アビエーションの四半期決算が国内線の旅客需要回復で好調となり、急騰、上げをけん引。他方、たばこ最大手ITCや自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)、IT大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)とテック・マヒンドラが出遅れた。

 今週(27-31日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は31日の3月財政収支と1-3月期GDP伸び率など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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