香港前場:ハンセン0.3%高で5日ぶり反発、上海総合は0.4%上昇

サーチナ

中国株

2024/5/27 13:43

 週明け27日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比56.85ポイント(0.31%)高の18665.79ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が20.26ポイント(0.31%)高の6625.50ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は681億4110万香港ドルとなっている(24日の前場は731億1760万香港ドル)。

 中国経済指標の改善が相場を支える流れ。寄り付き後に公表された4月の工業企業利益は、前年同月比で4.0%増加し、3月の3.5%減から大きく上向いている。米ハイテク株高もプラス。27日の米株市場では、人工知能(AI)ブームをリードする米半導体大手エヌビディア株が大幅続伸し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が史上最高値を更新した。ただ、上値は限定的。西側諸国と中国の関係悪化が懸念され、指数は安く推移する場面もみられた。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は25日に閉幕し、「中国製品の過剰供給が貿易相手国の経済を損ねている」と中国を批判する共同声明を採択している。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が7.6%高の11.90香港ドルと急伸し、5月22日に付けた上場来高値を塗り替えた。レノボは21日、自社初のビジネス向け次世代AIパソコンを発表。AIブームが追い風になると期待されている。

 セクター別では、産金・非鉄が高い。山東黄金鉱業(1787/HK)と霊宝黄金(3330/HK)がそろって3.8%、招金鉱業(1818/HK)が3.5%、中国アルミ(2600/HK)が6.6%、中国宏橋集団(1378/HK)が4.9%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.2%ずつ値を上げた。中東地域の地政学リスクがくすぶる中、27日の金先物価格は上昇している。資源高の思惑も広がり、石油・石炭株も買われた。

 他の個別株動向では、取引再開した中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が81.6%高。経営改善の期待が高まる。同社は26日、親会社で経営再建中の恒大集団(3333/HK)が保有する同社株を全て売却する方向で、独立第三者と法的拘束力のないタームシート(投資条件の概要を規定した契約書)を交わしたと報告した。このほか、潜在的な買い手は恒大汽車に対し、電気自動車(EV)事業を運営するために融資支援することでも基本合意している。なお、不動産デベロッパー大手の中国恒大集団は、2023年12月通期決算の発表遅延により売買を一時停止中だ。

 半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連は安い。薬明生物技術(2269/HK)が6.6%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が4.5%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が3.7%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が3.4%ずつ下落した。

 本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.37%高の3100.22ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。公益株、金融株、素材株、海運株、電力設備株なども買われた。半面、不動産株は安い。ハイテク株、医薬株、消費関連株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)(写真:123RF)

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