<新興国eye>トルコ5月経済信頼感指数、サービス下げ止まり、小売り・建設悪化―5月設備稼働率低下

新興国

2024/5/31 8:45

 トルコ統計局が27日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す5月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)はサービス業(全体指数)が前月比横ばいの117.1と、前月(4月)の同2.8%低下から下げ止まった。ただ、1年前の117.4をやや下回っており、依然、1月(116.8)以来、4カ月ぶりの低水準。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比1.0%低下(前月は2.1%低下)の115.8と、2カ月連続で悪化、23年12月(110.0)以来の低水準となった。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同0.6%低下(同3.6%低下)の115.5と、2カ月連続で悪化。ただ、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同1.6%上昇(同2.6%低下)の120.1と、大幅に改善、3月(121.3)以来の高水準に戻った。

 対照的に、小売業は前月比3.3%低下(前月は1.9%上昇)の111.7と、悪化に転じ、21年8月(110.3)以来、2年9カ月ぶりの低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同7.7%低下(同3.3%上昇)の125.4と、悪化に転じ、23年11月(116.4)以来、6カ月ぶりの低水準となった。今後3カ月間の販売見通しも同2.9%低下(同2.9%上昇)の117.4と、急速に悪化。商品在庫は同2.9%上昇(同1.4%低下)の92.2と、在庫過剰感が高まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も前月比0.3%低下(前月は横ばい)の88.3と、再び悪化、23年12月(88.0)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は同0.4%上昇(同0.1%上昇)の83.1と、2カ月連続で改善、明るい材料となった。ただ、今後3カ月間の雇用見通しは同0.9%低下(同0.1%低下)の93.5と、3カ月連続で悪化、23年8月(91.4)以来、9カ月ぶりの低水準となった。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した5月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76.3%と、前月(4月)の76.7%から0.4ポイント低下した。ただ、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%や1年前の76.0%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった20年4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは中間財の76.1%(前月は77.0%)だったが、前月を大幅に下回った。次いで投資財が76.6%(同75.9%)。耐久財は74.3%(同75.1%)と、前月を下回った。消費財は73.6%(同73.0%)、非耐久財は73.5%(同72.6%)と、いずれも前月を上回った。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は5月が76.6%と、前月(77%)を下回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

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