<新興国eye>前週のロシア株、中銀の利上げ回避決定や原油高を受け3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2024/6/10 8:56

 前週(3-7日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の7日終値は前日比0.99%高の1143.22、前週比では5月31日終値比1.60%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け3日は指数が下落、翌4日は反発した。5日も続伸。6日は反落した。

 週前半は、ロシア中銀が週末の金融政策決定会合で、インフレ抑制のため、政策金利を現行の16%から17-18%に引き上げるとの思惑が広がり、売りが優勢となった。また、ブレント原油先物が1バレル当たり78.5ドルを割り込んだことも売り材料となった。OPEC(石油輸出国機構)プラスが25年末まで現在の生産量目標を維持したことが背景。その後は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。市場参加者はサンクトペテルブルクで開かれる国際経済フォーラムに注目したため、一部でショートスクイーズ(踏み上げ)が見られた。

 週後半は、引き続き値ごろ感による買い戻しが続いた。原油価格も一時、77ドルに落ち込んだものの、78ドルに回復、買いが強まった。その後は、ロシア中銀の金融政策決定会合を週末に控え、利上げ懸念が強まり、売りが優勢となった。ただ、海外株高や原油価格が約80ドルに持ち直したこと、さらにはサンクトペテルブルク国際経済フォーラムからの楽観的なニュースが支援材料となり、下値は限られた。

 週末7日は反発。注目された中銀の金融政策決定が利上げではなく、金利据え置きだったことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(10-14日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える11日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や12日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は14日の1-3月期GDPと5月CPI(消費者物価指数)など。指数は1100-1200のレンジの動きが予想される。12日は「建国記念日」の祝日のため、休場。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ