<新興国eye>前週のインド株、与党の総選挙勝利とモディ政権3期目入り確定で反発=BRICs市況

新興国

2024/6/10 8:56

 前週(3-7日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の7日終値は前日比2.16%高の7万6693.36、週間ベースでは5月31日終値比3.70%高と、反発した。

 週明け3日は指数が上昇、翌4日は急反落した。5日は反発、6日も続伸した。

 週前半は、下院総選挙の開票結果待ちとなる中、ナレンドラ・モディ首相が率いる与党・インド人民党(BJP)が勝利するとの出口調査を受け、政治の安定やインフラと民間部門の設備投資の拡大が続くとの思惑が強まり、買いが優勢となった。また、インフラ建設大手PNCインフラテックがインド国道庁(NHAI)から38億ルピーの和解金を獲得したことが好感され、急騰、上げをけん引。その後は、BJPを中心とする与党連合「国民民主同盟(NDA)」のリードが期待外れとなり、BJP単独では230-240議席にとどまり、過半数(272議席)に届かない見通しとなったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週後半は、総選挙の結果を受け、NDAが予想(350-400議席)を大幅に下回る292議席となったものの、かろうじて過半数を確保したことや、モディ首相が3期目に入り、政治が安定する見通しとなったことが好感され、前日急落していた相場は一転、値ごろ感による買い戻しが活発化した。インダスインド銀行、自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)、鉄鋼大手タタ・スチール、アクシス銀行、HDFC銀行、バジャジ・ファイナンス、コタック銀行、ICICI銀行など主要銘柄が買われ、上げをけん引。その後は、モディ首相が3期目に入る見通しが引き続き好感され、買い安心感が一段と強まった。

 週末7日は3日続伸。インド準備銀行(中銀)が政策金利を据え置いたことや、25年度GDP成長率見通しを従来予想の7.0%増から7.2%増に引き上げたことが好感され、買いが優勢となった。指数は過去最高値を更新。

 今週(10-14日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の4月鉱工業生産と5月CPI(消費者物価指数)、13日の4月小売売上高、14日の5月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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