<新興国eye>前週の上海株、EUの輸入EV追加関税や追加制裁懸念を受け5週続落=BRICs市況

新興国

2024/6/17 9:03

 前週(11-14日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで5週続落。14日は3032.63(7日終値比0.61%安)だった。

 週明け10日は「龍舟節」の祝日のため、休場となった。取引が再開された11日は指数が下落、12日は反発した。13日は反落。

 週前半は、休み明け後、取引が再開され、前週末に発表された米5月雇用統計が強い内容となったことを受け、早期の米利下げ観測が後退、売りが優勢となった。また、消費関連株や非鉄金属株が下落、下げをけん引。非鉄金属の下落はロンドン市場で銅価格が約5週間ぶり安値となったことが背景。

 週後半は、反発したが、中国の5月CPI(消費者物価指数)が前年比0.3%上昇と、市場予想(0.4%上昇)を下回り、依然景気は弱いとの見方や、米政府が中国による半導体技術へのアクセスを一段と制限するとの観測が重石となり、上値が抑えられた。

 その後は、EU(欧州連合)が中国から輸入EV(電気自動車)に最大38.1%の追加関税を7月から課すと発表したことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、EV大手のBYD(比亜迪)やリ・オート(理想汽車)、ジーリー(吉利汽車)は追加関税が事前に予想されていたことや、追加関税を吸収する余地があるとの見方で買われたため、下げは限定的となった。

 週末14日は反発。証券業界の再編期待で証券株が買われ、上げを主導した。ただ、人民元安となったことや、米国務省がロシアの防衛産業部門に製品供給している中国企業への追加制裁を検討していることが重石となった。

 今週(17-21日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は17日の5月鉱工業生産と5月小売売上高、5月住宅価格指数、5月失業率、5月固定資産投資など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ