【為替本日の注目点】NY連銀製造業景況感指数、予想ほど縮小せず
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ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は157円台で堅調に推移。小動きの中、米金利が上昇したことで157円95銭までドル高に。ユーロドルは小幅に反発。1.07台前半で小動き。株式市場ではダウが5日ぶりに反発し、3指数が揃って上昇。ハイテク株への資金流入が止まらず、この日もナスダックとS&P500は最高値を更新。債券は反落。長期金利は4.28%台に上昇。金は反落。原油は大幅に反発し、80ドルの大台を回復。
6月NY連銀製造業景況指数 → -6.0
マーケット情報
ドル/円 157.69 ~ 157.95
ユーロ/ドル 1.0708 ~ 1.0737
ユーロ/円 169.01 ~ 169.34
NYダウ +188.94 → 38,778.10ドル
GOLD -20.10 → 2,329.00ドル
WTI +1.88 → 80.33ドル
米10年国債 +0.060 → 4.281%
本日の注目イベント
豪 RBA、キャッシュターゲット
日 植田日銀総裁、参院財政金融委員会で半期報告
独 独6月ZEW景況感指数
欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
米 5月小売売上高
米 5月鉱工業生産
米 5月設備稼働率
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 ローガン・ダラス連銀総裁、質疑応答
米 コリンズ・ボストン連銀総裁講演
米 クーグラー・FRB理事、オンラインイベントで講演
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、パネル討論会で発言
米 ムサレム・セントルイス連銀総裁講演
米経済指標の結果に金利が上下しドル円もその動きに沿って動いています。ドル円は米金利との相関がやや弱まってはいますが、昨日は金利高がドル円を押し上げ158円に迫る水準までドル高が進みました。6月のNY連銀製造業景況感指数が、予想ほど低下してはおらず「-6.0」と、予想の「-10.0」より改善していました。この結果、債券が売られ金利は上昇しましたが、株式市場では3指数が揃って上昇し、取り分け、ハイテク銘柄の多いナスダック指数が連日で最高値を更新しています。同指数は今月だけでも最高値を7回も更新する異例の動きを見せています。アップルやテスラなどが上昇をけん引しており、4月から上値が重く、昨日も一時800円を超える下げを見せた日経平均株価とは大きく異なります。米大手金融機関は、こぞって年末のS&P500の水準を引き上げています。
本日もFOMCメンバーによる講演や発言が多く予定されていますが、昨日もクリーブランド連銀のメスター総裁が、「私は常に、政策決定の論拠を説明することの重要性を主張してきた。つまり、われわれが現在のデータをどう読み解いているのか、経済の行方についてどう考えているのかということだ」としつつ、「しかし、この点についてはリスクもある。経済がどこに向っているのか、そしてそれに対応する政策については別に複数のシナリオがあるかもしれない」と話し、今後のインフレ見通しや政策判断についての内容とは異なり、FOMCメンバーが基本とすべき考え方を述べているようにも思える発言を行っていました。それもそのはず、メスター総裁は今月末で退任することになっており、ブルームバーグによると、メスター総裁のFOMC会合への出席回数は200回を超えているそうです。「最初は傍聴スタッフとして、そして2014年以降は政策決定者の一人として議論に加わってきた」と、ブルームバーグは退任する同氏を紹介しています。FOMCは年間に8回しか開催されないことを考えると、驚くべき数字です。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は「現時点における自身の予想に基づけば、年内1回の利下げが適切だ。ただ、利下げの前にさらに数ケ月のインフレ改善を確認したい」と語っています。
昨日筆者は、ブルームバーグが主催する「2024年後半、世界経済と日本経済展望」と題したセミナーに参加してきました。著名なエコノミスト2名と、日銀出身でブルームバーグのコメントを配信しているエコノミスト、計3名のパネルディスカッションでした。概ね筆者の考える展望と同じでしたが、FRBの利下げについては年内1回で、2025年末までにはFF金利を4%前後まで引き下げるという予想で一致していました。筆者は現時点では年内2回の利下げを予想しています。また、為替については今後円高を予想しており、それでも140円程度との見方でした。ただ一人のエコノミストは「びっくり円安」があるかもしれないので注意も必要で、同氏は170円という数字を挙げていました。ただ、全員が日本のインフレは今後2%を切り、1.5%程度まで低下する。日銀は7月会合で25bpの利上げを行うと見ていました。円安が止まらず、デジタル赤字が定着。さらに原油価格も上昇傾向です。生活関連商品を生産するメーカーは、「もう値上げしても売り上げが減少することはない」との確信に近いものを持っており、「値上げを恐れない」状況です。円安が進み、それら身の回りの品々も値上がりが必至です。日本のインフレにもいずれは「粘着性」という言葉がついて回ると予想しており、日本のインフレ率が1.5%に低下する可能性は低いと見ています。
本日は10時から植田総裁が、参院財政金融委員会で半期報告を行います。注意したいところです。ドル円は157円~158円30銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
・今日のアナリストレポート
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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