<新興国eye>前週の上海株、EVめぐるEUとの摩擦懸念や景気指標の低迷に7週続落=BRICs市況
2024/7/1 9:20
前週(6月24-28日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで7週続落。28日は2967.4(21日終値比1.03%安)だった。
週明け24日は指数が下落、翌25日まで5営業日続落した。26日は反発、27日は反落した。
週前半は、国内外の重要な経済データの発表を控え、買いが慎重となるる中、中国とEU(欧州連合)が中国製EV(電気自動車)輸入車への関税問題をめぐり協議開始で合意したことを受け、貿易摩擦懸念が強まり売りが優勢となった。その後は、引き続き、経済データの発表待ちとなり、積極的な買いが抑えられた。また、米国でAI(人工知能)チップ最大手エヌビディア<NVDA>が急落したことが嫌気され、中国市場でも半導体株が売られ下げをけん引した。
週後半は、AI開発ベンチャーの米オープンAIが中国国内で自社のAI関連技術を利用できないようにする措置を取るとの一部報道(証券時報)を受け、中国国内のAI関連セクターが買われ、上げをけん引した。その後は、市場が注目していた景気指標である1-5月工業部門企業利益が前年比3.4%増と、1-4月の同4.3%増から伸びが鈍化、内需低迷懸念が強まり売りが優勢となった。また、北京市当局は住宅ローン金利や最低頭金比率の引き下げを含む住宅市場の刺激策を発表したが、不動産セクターは下落、下げをけん引。
週末28日は反発。米11月大統領選に向けたバイデン大統領とトランプ前大統領の初のテレビ討論会で、中国に対する厳しい批判が少なかったことから、買い安心感が広がった。
今週(1-5日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学リスク、ハイテク産業をめぐる米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は1日の6月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日の6月CAIXIN中国サービス業PMIなど。
<関連銘柄>
上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、
H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、
南方A50<1576.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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