FOMC議事録、金利水準をめぐって委員の意見に隔たり

経済

2024/7/4 9:59

<チェックポイント>

●数人からは利下げ開始の遅れは景気悪化招くと懸念

●一部委員は利上げ再開の可能性に言及

●インフレ改善を確信するにはさらなる証拠必要との意見では一致

 FRB(米連邦準備制度理事会)は3日に公表した6月11-12日開催分の(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、いつまで高い金利水準を据え置くかをめぐり、各委員の意見に大きな隔たりがあることが分かった。一方、インフレが改善していると確信するには、さらなる証拠を待つ必要があるとの認識で意見が一致した。

 政策金利を据え置く期間をめぐっては、「一部の委員はFRBの金融政策スタンスによって需要が抑制されているものの、インフレ圧力がさらに低下するのを忍耐強く待つ必要がある」と、利下げを急ぐべきではないとする意見がある一方、「数人の委員は雇用市場の弱体化によって失業率のさらなる上昇を招く可能性がある」と、金利高止まりによる景気悪化リスクを懸念するに意見に分かれた。

 景気悪化を懸念する委員からは、「経済の一層の弱体化により、労働需要の低下が感じられたよりも深刻な失業状況を引き起こす可能性があることを特に強調」しており、利下げ開始の遅れによる景気悪化懸念を示している。ハト派の数人の委員は、経済活動の急速な低下や失業率の上昇を注視しており、それが早期利下げにつながる可能性があるとも指摘している。

 他方、一部の委員からは、「インフレが高い水準を維持するか、さらに上昇に転じるようなら、利上げする必要も出てくるかもしれない」と、利上げ再開の可能性に言及している。

 議事要旨の発表後も、市場では7月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でもFRBは政策金利を据え置くとの見方を変えておらず、9月会合で利下げを開始するとの見方が依然として大勢を占めている。

<関連銘柄>

 NFNYダウ<1545.T>、NFNASQ<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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