米6月コアCPI、前月比0.1%上昇―全体指数は約4年ぶりに低下

経済

2024/7/12 8:56

<チェックポイント>

●前年比もコア指数、全体指数ともに市場予想下回る

●輸送サービスが低下―シェルター価格は鈍化

●市場は9月利下げ開始を織り込む

 米労働省が11日に発表した6月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.1%上昇となり、5月や市場予想の平均値である0.2%上昇を下回った。また、全体指数の前月比は0.1%低下(5月は横ばい)と、市場予想の0.1%上昇に反し、20年5月以来の低下となった。

 前年比はコア指数が3.3%上昇、全体指数が3.0%上昇と、いずれ前月(コア指数3.4%上昇、全体指数3.3%上昇)や市場予想(コア指数3.4%上昇、全体指数3.1%上昇)を下回った。

 前月比の内訳は、輸送サービスのうち、航空運賃が5.0%低下と4カ月連続で低下。新車は0.2%低下と前月に続いて低下となり、中古車は1.5%低下と、前月の0.6%上昇から急減速した。また、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.2%上昇と、前月の0.4%上昇から鈍化した。

 エネルギー全体では2.0%低下(前月も2.0%低下)となった。ガソリンは価格下落により3.8%低下(同3.6%低下)、電気料金は0.7%低下(同横ばい)となった。一方、食品は0.2%上昇(同0.1%上昇)に加速。レストランなどで提供された外食価格は0.4%上昇(同0.4%上昇)、自宅調理用の食品は0.1%上昇(同横ばい)だった。

 前年比では、シェルター価格が5.2%上昇、輸送サービス全体では9.4%上昇、新車は0.9%低下、中古車は10.1%低下だった。また、エネルギーは1.0%上昇と、5月の3.7%上昇から伸びが急減速した。エネルギーのうち、ガソリンは2.5%低下(同2.2%上昇)となるなど、22年6月の59.9%上昇をピークに鈍化傾向にある。他方、食品は2.2%上昇と、5月の2.1%上昇を上回り、4月(2.2%上昇)以来の高い伸びとなった。

 電力は4.4%上昇(前月は5.9%上昇)、都市ガスは3.7%上昇(同0.2%上昇)となった。

 市場ではCPIを受けてディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)が進んでいるとし、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利下げ開始観測が広がったほか、11月や12月において追加利下げするとの見方も強まり始めた。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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