<無料公開>新型コロナウイルスの危機拡大、どうなる日本株相場?

◎世界経済への短期影響避けられず

<三井住友DSアセットマネジメントシニアストラテジスト・市川雅浩氏>

 新型コロナウイルスをめぐって中国からの受け入れ制限をしている国が多く、中国内でも企業に休業の延長を要請している。このため、短期的な世界経済への影響は避けられないだろう。その程度がどこまで大きくなるかは、現段階では見極めにくい。

 きょう3日は上海市場で取引が再開される。株価下落はこれまでの間に織り込まれてもいるので、上海総合指数の下げ幅自体は大きなサプライズにはならないのではないか。

 日経平均株価の短期的な下値メドは、2万2200円。これは、昨年10月15~16日にかけてあけた日足のマド下限に近い水準だ。割り込むと、200日移動平均線(1月31日時点で2万2084円)も見えてくる。

◎今週中が陰の極に

<証券ジャパン調査情報部長・大谷正之氏>

 日本株は今週が最も厳しい局面になるものの、日経平均株価は当面の下値を付けると考えている。新型コロナウイルスへの企業の対応が見え始め、予想される経済的な損失規模についても市場は一定のメドをつけるだろう。

 きょうの日経平均は26週移動平均線の水準に相当する2万2600円あたりの攻防になりそうだ。ここを割り込むと、週足一目均衡表の基準線や、8月以降の上昇の半値押しに近い2万2100円あたりが視野に入る。旅行や航空など一部の業種を除いては、従来の相場のリード役である半導体、電子部品を筆頭に、業績回復へ向けた中期トレンドに大きな変化はないとみている。

◎2万2500円以下は買い場

<エモリキャピタルマネジメント代表・江守哲氏>

 新型コロナウイルスの猛威を背景に、金融マーケットが混乱している。ただ、日本株や原油相場においてここから売り込むのは賢明な判断ではないと思われる。

 原油はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格が1バレル=51ドル台まで値下がりしているが、OPEC(石油輸出国機構)の減産傾向などを踏まえれば明らかに低過ぎる。ウイルスの影響は読みにくい面もあるが、例えばジェット燃料の消費量が激減したところで全体の需要には大きく響かない。直近までの価格の下落は心理的な要因が大きい。50ドルを下回るような状況は北米のシェールオイルを含めて、生産者が受け入れないだろう。

 短期的な株安も避けられないが、これも中期的には持ち直す考えている。日経平均株価のここからの値下がり幅は1000円程度が最大とみる。2万2500円以下は買い場になりそうだ。

(イメージ写真提供:123RF)

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