<新興国eye>前週のブラジル株、パンデミックによる景気懸念や原油安で5週続落=BRICs市況

新興国

2020/3/23 11:41

 前週(16-20日)のブラジル株式市場は20日のボベスパ指数が前日比1.85%安の6万7069.4、週間ベースでも13日終値比18.88%安となり、5週続落した。

 週明け16日の指数は急反落して始まった。FRB(米連邦準備制度理事会)が新型コロナウイルス感染拡大による米経済への悪影響を抑制するため、今月2度目の緊急利下げを決定、併せて7000億ドルの量的金融緩和の拡大も決めたが、逆にリセッション(景気後退)懸念が強まるとの市場の動揺を誘って世界的な株安となり、ブラジル市場でも売り優勢に。

 17日は反発。トランプ米大統領が新たな新型ウイルス対策を講じるとの報道を受け、買い戻しが入った。

 18日は反落し、19日は小反発、20日は小反落と週後半はから週末にかけてはもみ合いながらも下げ基調となった。

 週後半は、世界各国のパンデミック(感染症の世界流行)対策にもかかわらず、リセッション懸念がくずぶり続けて欧米市場が軟調となったことや原油安を受けてブラジル市場でもリスク回避の売りが強まった。その後は売り一服感で買い戻しが入ったものの、世界各国の景気対策の効果に対する懐疑的な見方は根強く、上げは限定的となった。

 週末は政府が20年のGDP(国内総生産)見通しを従来予想の2.1%増からわずか0.02%増に下方修正したことが売り材料となった。

 今週(23-27日)の株式市場は、引き続き新型コロナウイルスの世界的感染拡大やイラン・シリア情勢などの地政学リスク、世界景気悪化懸念、経済改革、海外の金融市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表の予定は24日の1月小売売上高や25日の3月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、27日のGDPの先行指標となっている1月IBC-Br(経済活動指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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