<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油回復や新型コロナ規制緩和観測で反発=BRICs市況

新興国

2020/5/25 10:36

 前週(18-22日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の22日終値が前日比1.48%安の1188.47、前週比では7.31%高となり、大きく反発した。

 週明け18日の指数は買い優勢で始まり、20日まで4連騰した。

 週前半は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が前の週末の講演で、米GDP(国内総生産)は7-9月期に急回復すると予想しリセッション(景気後退)懸念を否定したことや、ブレント原油先物が1バレル=35ドルを突破したことなどが好感された。また、米バイオ医薬品大手モデルナが新型コロナウイルスのワクチン開発でヒトへの臨床試験に成功したと発表したことを受け、米株やアジア株が急騰したことも支援材料となった。

 週半ばは、米週間石油統計で原油在庫が減少したことを受け、原油先物価格が36ドルに上昇したことや、ロシア政府がコロナ対策でロックダウン(都市封鎖)の緩和を強める可能性があるとの一部報道を受け、指数は一段高となった。

 21日は5営業日ぶりに反落し、週末22日も値を下げ、続落。

 週後半から週末にかけては、米株市場に上場している多くの中国企業が将来、上場廃止となる可能性がある法案「外国企業説明責任法(HFCAA)」が米上院で可決したことから、米中関係の悪化懸念が強まったことや、米中緊張激化懸念で原油先物価格が34ドル台に下落したことなどが嫌気された。

 今週(25-29日)のロシア市場は引き続き新型コロナウイルスや国内のロックダウンの動向、景気対策、原油価格、ルーブル相場、コロナ危機巡る米中関係の悪化、ロシア中銀による景気支援の6月利下げの可能性などが焦点となる。また、原油価格に影響を与える27日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や28日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表の予定は26日の4月失業率と4月小売売上高など。RTS指数は1100-1250ポイントの動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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