来週の日本株の読み筋=堅調地合い継続の可能性もメジャーSQ算出に注目
来週(8-12日)の東京株式市場は、堅調地合い継続の可能性があるものの、週末12日の株価指数先物・オプション6月限のメジャーSQ(特別清算指数)算出が注目される。過剰流動性を背景に売りポジションを抱える海外投資家の買い戻し思惑が続くとみられるが、SQを通過すれば高値波乱になるとの読みもある。株価指数先物の場合、3月の株価下落局面で構築された売りポジションの期限を迎えることになり、「ロールオーバー(期近から期先への乗り換え)が進む」(準大手証券)とみられるが、歪な需給が正常化に傾けば、SQ通過で相場の方向性に変化が生じないとは言い切れない。
足元の相場は依然として過熱感が強い。日経平均株価の25日移動平均線とのプラスかい離率は5日現在で9.4%と要警戒レベル(8%超)に張り付いたままだ。東証1部の騰落レシオは同138.52%と低下したが、買われすぎゾーン(130%以上)に変わりはない。もっとも、バルブの前に市場の警戒感は緩く、景気の先行きへの楽観も相まってテクニカルが通用しない状況だが、目先調整入りへの警戒感は消えていない。
スケジュール面では、国内で8日に1-3月期GDP(国内総生産)確報値、5月景気ウォッチャー調査、10日に4月機械受注、11日に4-6月期景気予測調査などが発表される。海外では9-10日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)、10日に中国5月生産者・消費者物価、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、米5月消費者物価、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合、11日に米5月生産者物価などが予定されている。
5日の日経平均株価は5日続伸し、2万2863円(前日比167円高)引け。朝方は、短期的な過熱感から利益確定売りが先行し、前場早々に下げ幅は130円を超えた。一巡後は持ち直し、後場に入り上げに転じた。時間外取引での米株価指数先物の上昇とともに円安歩調が支えとなり、大引け間際には上げ幅が170円に達した。市場では、「過剰流動性で景気を支え、財政出動で景気を元に戻す流れであり、相場は上をにらんだ動きだ」(中堅証券)との声が聞かれた。
提供:モーニングスター社
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