<新興国eye>前週のインド株、中印国境紛争や銀行の不良債権懸念で3週ぶり反落=BRICs市況
2020/9/7 10:04
前週(8月31日-9月4日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の9月4日終値は前日比1.63%安の3万8357.18、週間ベースでも8月28日終値比2.81%安となり、3週ぶりに反落した。
週明け8月31日の指数は大きく反落して始まった。前の週末、中国との国境に接するインド北部カシミール州ラダックで中国軍とインド軍が衝突し、地政学リスクが高まり、嫌気売りが出た。
9月1日は反発し、2日も値を上げ、続伸。
1日はインド4-6月期GDP(国内総生産)が前年比23.9%減と、市場予想以上に悪化したものの、政府への景気対策期待が強まり、買い戻しが入った。また、通信設備大手バーティ・インフラテルがインダス・タワーズと合併すると発表したことを受けて急伸したことや、8月日経製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を上回ったことも指数をサポートした。
2日は、8月自動車販売台数もロックダウン(都市封鎖)前の水準に接近したことを受け、景気のV字回復期待が強まり、買い優勢となった。
3日は反落し、週末4日も値を下げ、続落した。
3日は、8月日経サービス業PMIが41.8と、7月の34.2から改善したものの、好・不況の分かれ目である「50」を6カ月連続で下回ったことが嫌気された。
4日は、インド最高裁が銀行の不良化した融資債権を正常債権と見なし、債権放棄せずに債務再編するよう指示したことを受け、景気回復への懸念が強まった。また、金融株と世界最大の製油所を運用するリライアンス・インダストリーズが売られたことも、指数の押し下げにつながった。
今週(7-11日)のインド市場は、新型コロナ感染再拡大や世界経済、特に米・中・欧の動向、米中関係、政府の追加景気刺激策、原油価格の動向、主要企業の決算関連ニュースなどが注目される。主な経済指標の発表予定は11日の7月鉱工業生産など。
<関連銘柄>
上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、
インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>
提供:モーニングスター社
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