米1月中古住宅販売件数、前月比0.6%増の年率669万戸―市場予想上回る

経済

2021/2/22 9:22

<チェックポイント>

●21年の販売件数は前年比15%増の少なくとも650万戸―NAR予想

●販売価格(中央値)は前月比1.7%減の30万3900ドル―低下は4カ月連続

●未販売住宅(在庫)は過去最低の1.9カ月分相当―依然供給不足

 NAR(全米不動産業協会)が19日発表した1月中古住宅販売件数(季節調整済み)は前月比0.6%増の年率換算669万戸と、20年12月の同0.9%増に続いて2カ月連続で増加し、20年10月の673万戸以来、3カ月ぶりの高水準となった。市場予想は665万-666万戸だった。前年比は23.7%増と、7カ月連続で前年水準を上回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「1月に入っても住宅販売は増加し続けている。住宅購入希望者は市場に出てきた、あらゆる物件に飛びついている状況だ」と、旺盛な購入需要が続いているとし、21年の販売件数は前年比15%増の少なくとも650万戸に達すると予想している。

 住宅供給の過不足感を示す1月時点の未販売住宅(在庫)は前月比1.9%減の104万戸と、12月の同17.2%減に続いて8カ月連続の減少となり、同月の販売ペースに換算した在庫水準も1.9カ月分と、過去最低となった12月から横ばいとなった。適正水準とされる5-6カ月分を大きく下回っており、住宅供給不足の状況が住宅販売の足かせとなっている。1月の在庫量(戸数ベース)は前年比25.7%減と、統計開始の82年以来38年ぶりの低水準。中古住宅市場が深刻な在庫不足でタイトとなっているため、消費者は新築市場にシフトする傾向を一段と加速させている。

 地域別販売件数を見ると、西部と北東部を除く2地区で増加した。特に、全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部は前月比3.2%増(前年比25.1%増)の294万戸、中西部も同1.9%増(22.7%増)の157万戸と、いずれも2カ月連続で増加した。北東部は同2.2%減(同24.3%増)の87万戸、西部も同4.4%減(21.3%増)の131万戸となった。

 一方、中古住宅価格は中央値で前月比1.7%低下の30万3900ドルと、4カ月連続で低下したが、前年比は14.1%上昇と、107カ月連続で前年水準を上回っている。主力の一戸建ても同様で、1月は前年水準より14.8%高い30万8300ドルとなった。住宅供給不足が続いていることから、住宅価格には上昇圧力がかかる可能性が高い。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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