企業業績の回復前倒し、21年度は大幅増益へ――野村・大和証が最新見通し公表
2021/3/4 17:30
企業業績の業績回復が前倒しで進んでいるもようだ。野村証券と大和証券が4日に発表した最新の見通しによれば、2020年度の主要な日本企業の経常減益幅は従来の想定から大きく縮小する。21年度は大幅増益への転換が視野に入り、いずれも前年度比で20%台後半の高い伸び率を予想している。
自動車生産上向く、ソフバンG投資好転も影響
新型コロナウイルスの世界的流行を背景に、日本企業の収益は大きく落ち込んだ。野村証によれば、金融を除く主要企業の経常利益は19年度が前年と比べ22.3%減となり、20年度も前半の不調が響いて3.6%減にとどまりそうだ(金融を含めると各20.5%減、4.4%減)。
ただ、業況は上ブレ含みで推移している。20年12月時点では、野村証は20年度の経常利益を前年度比18.3%減(金融を含めると17.6%減)と予想していた。自動車生産の復調や各社の経費削減といったコスト改善努力を背景に、製造業中心に上方修正の動きを強めている。また、傘下の投資ファンドが巨額の利益を上げたソフトバンクグループ(9984)の貢献も大きい。
20年度の利益水準が高まる分、21年度の伸びは従来からやや縮小する。ただ、それでも28.2%増(金融を含めると各25.9%増、従来予想は40.4%増)を想定している。
22年度は最高益更新か
大和証も20年度の主要企業(金融除く)の経常利益について、前期比4.2%減と前回(20年11月)の19.6%減から予想を大きく引き上げた。新型コロナワクチンや米国の追加経済対策の効果が期待される21年度については29.1%の伸びを見通し、22年度には過去最高益の更新を視野に入れる。
(写真:123RF)
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