米ドル週間場況=米国の経済指標や企業決算を確認

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2021/4/12 17:11

ドル安・円高 109.67円(-1.02円)

 5-9日のドル・円は下落した。週初5日は、3月ISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況指数が好調だったが、この日は安全通貨とされるドルが売られた。6日、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期利上げは時期尚早との見方が改めて広がり、米長期金利が低下しドル・円は下押し。7日、3月開催分FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で、資産購入額縮小の条件を満たすには時間を要するのと記載があったが、市場の想定通りでドル・円の反応は限られた。8日、パウエルFRB議長のハト派的発言や、米国の新規失業保険申請件数が市場予想に反し増加したことから米長期金利が低下し、ドル・円を押し下げた。週末9日、米3月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回り、反発した。

 債券市場では、短期債利回り、長期債利回りともに低下した。FRBの金融緩和策の長期化観測が改めて強まったことや、新規失業保険申請件数の増加などで米債券が買われ、米金利は低下した。ドル建て2年債利回りは前週末の0.16%から0.15%に低下、ドル建て10年債利回りは前週末の1.67%から1.66%に低下して越週した。

 12-16日のドル・円は、前週に上昇が続いた米長期金利が一服し伸び悩んだが、バイデン米政権の大規模経済対策による米国債増発への懸念は根強く、新型コロナワクチン普及による米経済の正常化期待も広がる中、米長期金利は高水準を維持し当面のドルを支えそう。米経済指標や、これから本格化する米企業決算を見極めながらの相場展開が続こう。経済指標では米3月財政収支、米3月CPI(消費者物価指数)、米3月小売売上高、米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米3月住宅着工件数などが発表予定で、米長期金利の反応と併せて確認したい。その他、10年債などの米国債入札も注視する必要がある。

提供:モーニングスター社

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