<特集>コロナ下のサマーストック(4)=日清紡HD―利益変化率高く買い戻し思惑も

株式

2021/6/18 17:04

 日清紡ホールディングス<3105.T>に狙い目がある。グループ企業では、ひんやり涼しく通気性がよい接触冷感クールマスクを手掛けており、コロナ下での夏場のアイテムとして注目される。また、コットンテキスタイル(コットン生地)では特殊技術の吸水速乾加工ティアライドにより、清涼感を実現するとともに、繰り返し洗濯しても性能を持続し、UV(紫外線)カットなどの機能加工との併用も可能だ。派手さはないが、隠れたサマーストックと言えよう。

 もともと、利益変化率の高い銘柄であり、評価余地は広がっている。21年12月期の連結業績予想は上方修正され、営業利益は当初計画の68億円から100億円(前期比8.0倍)に大きく引き上げられた。世界的な自動車販売台数の急回復等によるブレーキ事業の売上増加や、不動産事業での分譲好調、半導体の復調など事業環境は好転中だ。一部では再増額修正が観測されており、収益面でのフォローもある。

 株価は、6月9日に年初来高値947円を付けた後、高値圏でのもみ合いが続いている。25日移動平均線にほぼ沿った形での上昇波動が続き、日足一目均衡表上の「雲」上をキープするなど相場変調の兆しはみられない。ちなみに、11日申し込み現在の信用取引残高は買い残34万株強、売り残13万株強と買い長状態ながら、同日報告分の株券等貸借週末残高によると、カラ売りポジションにつながる貸付残高は有担保・無担保合計で400万株超に上り、買い戻し思惑も秘めている。

提供:モーニングスター社

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