<新興国eye>トルコ4-6月期GDPは前年比21.7%増―市場予想と一致

新興国

2021/9/2 11:52

 トルコ統計局が1日発表した4-6月期GDP(国内総生産)は前年比21.7%増と、前1-3月期の7.2%増に続いて4四半期連続で回復し、市場予想と一致。リュトフィ・エルバン財務相の予想(約20%増)をやや上回った。

 4-6月期GDPが高い伸びとなったのは、パンデミックの悪影響を最も強く受けた1年前の20年4-6月期は同10.4%減だったため、いわゆるベース効果による。また、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を抑えるため、4月中旬から5月中旬まで約1カ月間、全国的なロックダウン(都市封鎖)に入ったが、製造業はほとんど経済活動の制約の影響を受けなかったことが大きい。政府の積極的な財政支援と中央銀行の利下げの効果で、個人消費と製造業が堅調となったほか、輸出が拡大したことが寄与した。

 主な内訳は、生産面ではサービス業は前年比45.8%増と、最も高い伸びとなった。次いで鉱工業が同40.5%増(うち、製造業は43.4%増)、情報・通信業も同25.3%増となった。建設業は同3.1%増、農業は同2.3%増だった。一方、金融・保険業は同22.7%減と急激に落ち込んだ。

 支出面では、家計最終消費支出(個人消費)が前年比22.9%増と、前四半期の同7%増を大幅に上回り、4四半期連続で増加し、GDP全体を押し上げた。総固定資本形成も同20.3%増と、高い伸びとなり、政府最終消費支出も同4.2%増と、前四半期の同0.7%増を上回った。外需はGDP押し上げ要因の輸出が同59.9%増と、3四半期連続で回復した一方で、GDP押し下げ要因となる輸入は同19.2%増と、前四半期の同1.8%減から増加に転じたが、外需全体としてGDPの押し上げに寄与した。

 また、米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月31日、21年の同国のGDP見通しを従来予想の5%増から6%増に上方修正した

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、21年の成長率は標準シナリオで5.8%増(最悪シナリオで3.7%増)に回復し、22年と23年はいずれも5%増の安定成長に戻ると見ている。一方、エルバン財務相は21年の成長率を8%超増と予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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