インパクト・福井康夫社長に聞く:「店舗DB」で成長期待大
2022/2/22 8:45
インパクトホールディングス(6067・M)の業績が好調で、前12月期は大幅な増収増益を達成した。同社はデジタルサイネージをはじめ、ラウンダー、覆面調査、販促ツール・ノベルティーなど、消費財メーカーや流通小売店舗向け販売促進の支援サービスを手掛ける。新ツール「店舗データベース(店舗DB)」を軸としたサービス展開が効果を上げており、今期以降の成長期待も大きい。同社の現状と今後について福井康夫社長に聞いた。
――前期決算は連結売上高133億3300万円(前々期比20.3%増)、営業利益16億7800万円(同62.9%増)で、ともに過去最高を更新しました。業績好調の要因を教えてください。
「コロナ禍で需要動向が目まぐるしく変化していますが、その中で需要の高まった事業に経営資源(人・モノ・資金)を集中することで、収益性が向上しました。中でも、AI(人工知能)機能を搭載した『店舗DB』を本格投入したことでサービスの付加価値が高まり、案件受注率、収益率が向上し、それが売上高、営業利益の過去最高の更新につながりました。また、最終損益は12億800万円の黒字(前々期実績1億8700万円の赤字)で黒字化するとともに、創業以来初めて10億円を突破しました」
他サービスとのシナジーも強化
――「店舗DB」の投入で、どんな効果がありましたか。
「『店舗DB』は当社が創業から一元管理する累計860万件以上の販促活動の定量・定性データに、人口動態、産業構造、商業統計調査などオープンデータおよびリアルタイムの出店・閉店など店舗情報を組み合わせ、その上でAIを使って効率のよい販促施策の企画・立案を行うツールです。現状では『店舗DB』を無償で提供し、それを基に効果的な販促企画を立案し、デジタルサイネージ、ラウンダー、販促ツールなど、当社の他サービスを利用していただくことで収益につなげており、前期の業績拡大の一要因になりました。近年はコロナ禍で販促プロモーションに迷う消費財メーカーなどが多くなっていることで『店舗DB』への問い合わせが増えており、今後はさらなる利用拡大から他サービスとのシナジー(相乗)効果強化にも取り組んでいきたいと思っています」
――2021年8月に設立した新会社「impact connect」はいかがですか。
「『impact connect』は『店舗DB』を最大限に活用するため、既存子会社に当社の営業推進部、マーケティング部なども吸収合併した新子会社で、グループ内において店頭販促の企画・立案から店頭実現までをワンストップで行っています。当社の豊富な経験を生かした、主に小売店の現場発であることが強みです。今後、販促プロモーションにおける上流領域でのプレゼンス(存在感)を拡大し、単なる受託請負ではなく、顧客と一緒に課題解決に取り組む販促プロモーションパートナーを目指しています。『SDGs(持続可能な開発目標)販促』として、無駄、非効率の削減も追求しています。人材強化にも取り組んでおり、広告代理店から転職してくるケースもあります」
――今期以降のビジョンを聞かせてください。
「今後も『店舗DB』を中心に事業拡大を図ります。21年10~11月にかけて自社で『SDGs販促の推進』をテーマとした展示会を開催し、メーカーを中心に延べ415社、793人が来場していただきました。これからも自社で展示会を開催するとともに、他社開催の展示会にも出展し、『店舗DB』をはじめ当社サービスのさらなる拡大を推進します。また、こうした従来事業の延長で成長継続を目指すだけでなく、『店舗DB』とのデータベース連携でバリューアップが見込めるM&A(企業の合併・買収)や海外展開で、より一層の成長加速に取り組んでいく考えです。海外展開については20年に双日(2768)と資本・業務提携しており、双日の持つネットワークを生かした事業展開を進めています」
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