来週の東京外国為替市場見通し=バイデン米大統領の一般教書演説、パウエルFRB議長の議会証言に注目
予想レンジ:1ドル=113円00銭-118円00銭
21-25日のドル・円は上昇した。週初21日は、ウクライナ情勢悪化への警戒感が高まり、ドル売り・円買い優勢。22日は複数の米経済指標が総じて強い結果となり、ドル・円は反発した。23日はウクライナ情勢が緊迫の度合いを深める中、米国株が大幅安となり、ドル・円も下押しした。24日、ロシア軍がウクライナに侵攻し、ドル・円は一時急落したが、その後、バイデン米大統領がロシアへの追加経済制裁でSWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシア排除を見送ったことでリスク回避姿勢が一時後退、ドル・円は大きく切り返した。25日東京時間、ウクライナの首都・キエフがミサイル攻撃されたと伝わり、ドル・円は軟化した。
週明けは、3月1日にバイデン米大統領による一般教書演説、2-3日は米両院でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言と重要なイベントが相次ぐ。足元は地政学リスクを背景に資源高となる中でインフレ高進を招いており、バイデン政権の失策との見方も強まっている。折しもウクライナ情勢はロシアが同国に侵攻する事態に及ぶなど、外交的解決が骨抜きにされつつある。対中関係も含め、強い外交姿勢が示されなければ、為替市場はドル弱含みを織り込む可能性がある。一方、後者は3月15-16日FOMC(米連邦公開市場委員会)前のパウエル議長の貴重な発言機会となる。FRB高官の中からは3月の0.50%以上の大幅利上げの可能性も排除すべきではないとの意見も出ている。パウエル議長がインフレ抑制にどう臨むのか見解が注目される。
このほか、米経済指標では、米2月ISM製造業景況指数、米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数、米2月雇用統計などの発表がある。
ドル・円のレンジは、1月24日に付けた年初来安値1ドル=113円46銭近辺が下値支持水準、上値方向は前回の米利上げ局面(15年12月-18年12月)の最中で、かつトランプ氏米大統領就任間近に付けた17年1月の高値(118円59銭)水準近辺をメドとする。
提供:モーニングスター社
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