日経平均は422円安と6日ぶり大幅反落、全業種下落で2万8000円割れ、「幻のSQ」に=10日後場

 10日後場の日経平均株価は前日比422円24銭安の2万7824円29銭と6営業日ぶりに大幅反落。3営業日ぶりに2万8000円を割り込んだ。この日算出の日経平均先物・オプション6月限SQ(特別清算指数)値は2万8122円81銭となり、日経平均がSQ値にタッチしない「幻のSQ」となった。

 朝方は、9日の欧米株安を受け、売り優勢で始まった。ECB(欧州中央銀行)は9日、7月に量的緩和政策を終了し、同月中に0.25%の利上げに踏み切る方針を示した。欧州主要国債利回りの上昇とともに米長期金利も上昇し、投資家心理が悪化した。先物売りを交えて日経平均は下げ幅を拡大し、いったん2万7800円近辺に下落した。その後下げ渋る場面もあったが、買いは続かず、再び軟化し、後場後半には2万7795円17銭(前日比451円36銭安)まで下押した。現地10日に米5月CPI(消費者物価指数)の発表を控えていることもあり、ポジション調整売りに押された。その後もさえず、大引けにかけて安値圏で推移した。

 東証プライムの出来高は12億7253万株、売買代金は3兆1449億円。騰落銘柄数は値上がり176銘柄、値下がり1634銘柄、変わらず28銘柄。

 市場からは「きのうまではSQに向けた需給要因の影響が大きいとみられるが、それもSQ通過で変化がでてきた。欧米株安で売られたが、これまでハイペースな上昇だっただけに目先スピード調整があって然るべきだ。ただ、調整が一巡すれば、業績の回復期待を背景に値固めから上昇基調に復帰する可能性がある」(準大手証券)との声が聞かれた。

 東証業種別株価指数は全33業種が下落した。業種別では、クボタ<6326.T>、ダイキン<6367.T>、日立建機<6305.T>などの機械株や、HOYA<7741.T>、東精密<7729.T>、テルモ<4543.T>などの精密株が軟調。コスモエネH<5021.T>、出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株や、日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>、大平金<5541.T>などの鉄鋼株も安い。第一三共<4568.T>、小野薬<4528.T>、アステラス薬<4503.T>などの医薬品株や、東エレク<8035.T>、アドバンテス<6857.T>、ファナック<6954.T>などの電機株も売られた。エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、サイバー<4751.T>などのサービス株や、オリックス<8591.T>、三菱HCキャ<8593.T>などのその他金融株も値を下げた。

 個別では、IRJHD<6035.T>、ビューティガレージ<3180.T>、ラクーンHD<3031.T>、日電波<6779.T>、TOWA<6315.T>などの下げが目立った。半面、クロスキャット<2307.T>、ラウンドワン<4680.T>、藤田観<9722.T>、ダイオーズ<4653.T>、太平洋セメ<5233.T>などの上げが目立った。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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