来週の東京外国為替市場見通し=雇用統計通過後は米7月CPIはじめ物価関連指標が焦点
予想レンジ:1ドル=131円50銭-136円00銭
1-4日のドル・円は下落した。週初1日、米7月ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数が前月から低下し米国のインフレ警戒感が和らぎ、米長期金利が低下しドル売りに傾いた。2日は、ペロシ米下院議長が台湾を訪問予定と伝わり米中関係の緊迫化が懸念され、リスク回避の円買いが強まる場面があった。ただ、複数のFRB(米連邦準備制度理事会)高官から金融引き締めに前向きな発言が相次ぐと、米長期金利が急伸し、ドル・円は切り返した。3日、米7月ISM非製造業景況指数が市場予想に反して前月から上昇し、ドル・円を支援。4日、ペロシ米下院議長の訪台に反発した中国による台湾周辺での大規模軍事演習がリスク回避姿勢を強めたほか、英国の大幅利上げ決定で世界景気減速が懸念され、円買いが進んだ。
ドル・円は目先、5日発表の米7月雇用統計が方向性を決める。市場では非農業部門雇用者数の伸び幅縮小、失業率横ばいが予想されている。パウエルFRB議長は直近のFOMC(米連邦公開市場委員会)後の会見で、9月以降の金融政策は今後のデータ次第と発言しており、今回の雇用統計はひときわ注目を集めそう。このところFRB高官からはインフレ抑制を最優先とする声が聞かれ、市場で広がった金融引き締めペース緩和の思惑をけん制する動きが続いた。平均時給を含め雇用統計が市場予想を上回る強い結果となれば、大幅利上げの継続に改めて市場の意識が向かう可能性がある。
雇用統計通過後は米7月CPI(消費者物価指数)、米7月PPI(生産者物価指数)の物価関連指標が焦点となり、足元のインフレ動向から米国の金融政策を見定める相場が続く。米8月ミシガン大学消費者信頼感指数では期待インフレ率もドル・円の変動要因となりそう。経済指標ではその他、米7月財政収支などが発表される予定。
ドル・円はチャート上で、25日移動平均線(4日終値基準)近辺の1ドル=136円が上値メド。一方、直近で下げ渋った131.50円の水準がサポートラインとして意識される。
提供:モーニングスター社
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